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ホームページ制作でよくある失敗6パターン ─ 音信不通から解約トラブルまで

特定の会社の話ではなく、契約と進め方の抜けから起きやすい6つの型です。著作権・データ・ドメインの名義の分け方、「変更」と「不具合」の違い、公開後の管理の失敗まで、防ぎ方とあわせてまとめました。

契約書とホームページの画面を前に考え込む事業主

ホームページ制作の失敗には、起きやすい型があります。会社の規模や業種が違っても、つまずく場所はたいてい契約と進め方の決め忘れです。

この記事で挙げる6つは、特定のお客様や会社の話ではありません。契約や進め方の抜けから起きやすい形を、6つの型にまとめたものです。それぞれ、なぜ起きるかと、契約前や制作中に何を決めておけば防ぎやすいかを書きます。

よくある失敗6パターンと防ぎ方 一覧

6つとも、契約前か制作中に「決めておくこと」があります。表の右の列は、そのまま依頼先への質問として使えます。

失敗の型起きる原因決めておくこと
1. 公開後、連絡が取りにくくなる公開後の関係を決めていない公開後の修正の料金と返事の目安、データ一式の受け取り
2. 「それは別料金です」で食い違う「一式」の中身が双方でずれている見積もりの内訳と「含まれない作業」
3. 公開しても問い合わせが来ない作ることがゴールになっている誰に、どこから来てもらうか
4. 契約をやめたら、サイトが手元に残らない権利・データ・ドメインの扱いを決めていない著作権、データの引き渡し、ドメインの登録者の名義
5. 自分で更新できない誰がどこを更新するかを決めていない自分で更新したい箇所
6. 完成が延び続ける素材と確認の期限を決めていない誰が・いつまでに・何を出すか

型1 ─ 公開後、制作会社と連絡が取りにくくなる

公開後の修正について何も決めていないと、小さな直しの依頼ほど後回しにされやすくなります。

何が起きるか

公開後に「電話番号を直してほしい」と連絡しても、返事が遅い、または対応できないと言われる。作った会社なのだから直してくれるはず、と思っていると、ここで困ります。

電話をかけても返事が無く、店先で困っている事業主
公開後の小さな修正ほど、連絡が途切れやすいところです

「変更」と「不具合」は分けて考える

電話番号の書き換えのような「変更」は、契約に含まれていなければ別の依頼になります。一方、納品されたものが契約の内容と合わない「不具合」なら話が違います。

民法では、不具合を知ってから1年以内に相手へ知らせれば、直してもらうことや代金の減額などを求められます(民法562条・563条を559条で準用、637条)。ただし契約でこの期間や範囲を別に決めていることがあるので、まず契約書を確かめてください。

防ぎ方

契約前に次の2つを確かめ、答えをメールか契約書に残します。

  1. 公開後の修正は、1回いくらで、どのくらいで返事がもらえるか
  2. 連絡が取れなくなっても他社へ引き継げるよう、サイトのデータ一式とログイン情報を納品時にもらえるか

データとログイン情報が手元にあれば、別の会社に引き継げます。手順は乗り換えの記事にまとめています。

型2 ─ 「それは別料金です」で食い違う

見積もりが「ホームページ制作一式 ◯◯万円」の1行だけだと、含まれる作業のイメージが双方でずれます。

発注側は「当然含まれている」と思い、制作側は「頼まれていない」と思っている。どちらも嘘はついておらず、決めていなかっただけ、という形です。

1行だけの見積書を挟んで、話がかみ合わない事業主と制作者
「一式」の中身が双方で違うと、どちらも悪気なくすれ違います

思い込みが起きやすい項目

項目発注側の思い込み契約前に聞くこと
スマホ表示の調整当然入っている「スマホ表示の調整は含まれますか?」
お問い合わせフォームサイトなら付いている「フォームの設置と受信の設定は含まれますか?」
原稿・写真制作側が用意してくれる「原稿と写真はどちらが用意しますか?」
公開後の修正少しの直しは無料「公開後の修正は何回まで、いくらですか?」
お知らせの更新自分で書き換えられる「自分で更新できる箇所はありますか?」

防ぎ方

見積もりに内訳(ページ数・デザイン・スマホ対応・フォーム・原稿の分担)があるかを確かめ、無ければ出してもらいます。そのうえで「この見積もりに含まれない作業は何ですか?」と聞くと、食い違いの芽が見えます。

内訳の読み方は見積書の見方で説明しています。

型3 ─ 公開しても問い合わせが来ない

作ることがゴールになっていると、きれいなサイトができても、探している人に届かないことがあります。

なぜ起きるのか

Google は、登録しなくても公開されたサイトを自動で見つけます(Google 検索セントラル)。ただし、見つけてもらうことと、探している人の検索で上に出ることは別です。

どんな言葉で探す人に見つけてほしいか、検索以外にどこから来てもらうか(SNS・チラシ・地図アプリなど)を決めないまま、デザインの話だけで進むと、この型になります。会社名で検索しても出てこない場合は、検索に載せない設定が残っているなど、技術的な原因も疑ってください。

防ぎ方

打ち合わせで「このサイトには、どうやって人が来る想定ですか?」と聞いてください。

  • 具体的な答えの例: 「会社名と地域名の検索で見つかるようにして、地図アプリからも案内します」
  • 気を付けたい答えの例: 「良いものを作れば見てもらえます」だけ

公開済みで問い合わせが無い場合は問い合わせが来ない原因で切り分け方を、公開直後にやることは公開後30日のチェックリストで説明しています。

型4 ─ 契約をやめたら、サイトが手元に残らない

月額の契約をやめたら、サイトのデータもドメインも使えなくなった、という型です。起きてからでは、取り返すのにお金と手間がかかります。

何が起きるか

初期費用0円・月額制の契約で何年か使い、作り直そうとして解約したら、サイトのデータももらえず、ドメインも制作会社の名義だった。手元に何も残らない、という形です。

解約と同時に、ホームページが手元から離れていく様子
「借りていただけ」の契約では、解約は返却と同じ意味になります

確かめるのは「所有権」ではなく3つ

「サイトの所有権は誰のものか」と聞きたくなりますが、法律で所有権の対象になるのは形のある物です(民法85条)。データやドメインには、次の3つを分けて確かめます。

確かめること分かること
著作権が移るか(作り替える権利も含むか)他の会社でサイトを直したり作り替えたりしてよいか
データ一式を引き渡してもらえるか手元にファイルが残るか
ドメインの登録者の名義が自社か住所(URL)を持ち出せるか

著作権の書き方は契約書・発注書で見る項目で詳しく説明しています。月額制そのものは違法ではありません。ただし契約書に「リース」と書かれていたり、契約の相手が制作会社と別の会社だったりする形もあるので、途中でやめたときの金額は必ず確かめてください。仕組みは月額0円のカラクリで説明しています。

防ぎ方

契約前に「解約したら、データとドメインはどうなりますか?」と聞き、答えを書面で残します。関係が良好な契約前のほうが、こうした条件は聞きやすいものです。

型5・6 ─ 自分で更新できない/完成が延び続ける

残る2つは、役割分担を決めていなかったことから起きます。

型5: 自分で更新できないサイトになる

営業時間の変更のような小さな直しのたびに、依頼と請求が発生する型です。誰がどこを更新するかを決めずに作ると、こうなります。

見積もりの前に、自分で更新したい箇所を伝えてください。お知らせや営業時間など、更新の多い所だけを CMS(専門知識なしで文章や写真を差し替えられる仕組み)にしておけば、日々の更新は自分でできます。

  • 自分で更新したい箇所の例: お知らせ・営業時間・料金・写真
  • 任せてよい箇所の例: ページ全体のデザイン・新しいページの追加

型6: 完成が延び続ける

予定を過ぎても公開できない型です。原因は、発注側の原稿・写真・確認の返事待ちのこともあれば、制作側の作業の遅れのこともあります。どちらにあるかを切り分けられるよう、役割を決めておきます。

原稿と写真が届かず、制作側の机の上で作業が止まっている様子
どちらが何を待っているのかが分かると、遅れの原因を切り分けられます

契約のときに「どちらが・いつまでに・何を出すか」を決め、確認の返事の期限(例: 1週間以内)も双方で持ちます。素材の揃え方は発注前の準備にまとめました。

公開後の管理で起きる2つの失敗

ここからは、公開してしばらく経ってから起きる、管理の失敗です。どちらも、気付いたときにはすでに損が出ています。

ドメインの更新が切れて、サイトとメールが止まる

ドメイン(ホームページの住所)は、更新を続けないと使えなくなります。止まると、サイトが表示されず、そのドメインのメールも届かなくなります。

  • 支払いに登録したカードの期限が切れていた
  • 更新のお知らせが、辞めた担当者のアドレスに届いていた
  • 制作会社が更新していると思っていたが、自社の担当だった

JPRS の決まりでは、汎用JPドメイン(◯◯.jp)が廃止されると、短い回復の期間を過ぎた後は誰でも登録できる状態になります(JPRS「JPドメイン名のライフサイクル」)。他人に取られると、取り戻せるとは限りません。

名義・更新の期限・支払いの方法・お知らせの届き先の4つを書き出し、社内の2人以上が分かるようにしておくと防げます。仕組みはドメインとサーバーとは?で、同じ形で起きる鍵マーク(SSL)の期限切れはSSL とセキュリティの基本で説明しています。

問い合わせフォームの通知が届いていない

送った側の画面には「送信しました」と出るのに、こちらには届いていない、という失敗です。

  • 通知の届き先が、使わなくなったアドレスのままだった
  • 通知が迷惑メールに振り分けられていた
  • サーバーやメールの設定を変えた後から、送信が止まっていた

定期的に、自分でフォームから試しに送ってください。届き先を変えたときと、サーバーを移したときは、その日のうちに送ってみると安心です。

失敗に気付いたら ─ 最初にやる4つのこと

すでに困っている場合は、相手に連絡する前に、手元の状況を整理します。

  1. 書類を集める ── 見積書・契約書・請求書・やり取りのメールを1か所にまとめる
  2. 名義とログインを確かめる ── ドメインとサーバーが誰の名義か、管理画面に入れるかを確認する
  3. 起きたことを時系列で書き出す ── いつ、何を頼み、どんな返事があったかを日付つきで並べる
  4. 連絡は記録が残る形でする ── 電話で話した内容も、後からメールで要点を送っておく

自社の名義とログインが確認できれば、別の会社へ引き継げます。話し合いで解決しない場合は、1〜3で揃えたものを持って弁護士に相談してください。

まとめ ─ 契約前と公開後のチェックリスト

  • 公開後の修正の料金と返事の目安を、メールか契約書で確かめた
  • 見積もりの内訳と「含まれない作業」を聞いた
  • 「このサイトにはどうやって人が来るか」の答えをもらった
  • 著作権・データの引き渡し・ドメインの登録者の名義を、書面で確かめた
  • 自分で更新したい箇所を伝え、原稿・写真と確認の返事の期限を決めた
  • ドメインの更新とフォームの届き先を、社内の2人以上が分かるようにした

契約前の確認をまとめて知りたい場合は、制作会社の選び方の質問リストも使えます。

LIT STUDIO のホームページ制作は、50,000円〜(5ページまで)です。保守は月5,000円で、保守を付けない場合はサーバー・ドメインの維持の実費(月数百円〜)で運用できます。手元の見積書や契約書を見てほしいときは、お問い合わせからご相談ください。

この記事は一般的な情報です。個別の契約の判断は、弁護士に相談してください。

よくある質問

Q.この記事の6つの失敗は、実際にあった話ですか?
特定のお客様や会社の話ではありません。契約や進め方の決め忘れから起きやすい形を、6つの型にまとめたものです。
Q.納品のあとに不具合が見つかりました。直してもらえますか?
納品されたものが契約の内容と合わない不具合なら、民法では、知ってから1年以内に相手へ知らせれば、直してもらうことや代金の減額などを求められます (民法562条・563条を559条で準用、637条)。ただし契約で期間や範囲を別に決めていることがあるので、まず契約書を確かめてください。個別の判断は弁護士に相談してください。
Q.サイトの「所有権」は、契約書のどこを見れば分かりますか?
法律で所有権の対象になるのは形のある物なので、サイトのデータやドメインは「所有権」では決まりません。契約書では、著作権がいつ誰に移るか (作り替える権利も含むか)、データ一式を引き渡すか、解約後のデータの扱いの3か所を見ます。ドメインは、登録者の名義が自社かを管理画面で確かめます。
Q.ドメインの更新が切れてしまいました。もう取り戻せませんか?
すぐに管理している業者に連絡してください。汎用JPドメイン (◯◯.jp) は、廃止の後も短い回復の期間があり、その間なら登録回復を申請できます (JPRS)。期間を過ぎると誰でも登録できる状態になり、他人に取られると取り戻せるとは限りません。
Q.完成が遅れているとき、制作会社の責任を問えますか?
契約で決めた納期と、遅れの原因によります。原稿や写真、確認の返事を発注側が出していない間の遅れは、制作側だけの責任とは言いにくくなります。やり取りを日付順にまとめたうえで話し合い、解決しない場合の判断は弁護士に相談してください。

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