TAMARI-玉理論

ビリヤードを物理で語る

プレイヤー同士で「ここをこう撞いたらこう動く」を経験則だけで語ると、 同じ撞点でもスピードと厚みで結果が変わるから言葉が噛み合わなくなる。 これを物理として共有できると、球場での会話の解像度が変わるんじゃないか ── そう考えて始めたシリーズです。デモを作りながら、物理も少しずつ学んで 記事にしていきます。

Demo Series

TAMARI-玉理論

撞点と回転

ビリヤード手玉の挙動を物理学的に観察できる実演ツール。撞点と初速の関係を体感し、押し玉・引き玉・ストップショットの違いを定量的に比較できます。

Version Timeline

  1. 横回転がクッションでどれだけ跳ね返りを変えるかを「ダイヤ何個分」 で可視化。 垂直キックに横回転を入れると最大で約3ダイヤ動く、 ランニングで伸びリバースで縮む、 クッションが回転を調整する、 を体感できる。

    • 横回転で垂直キックが何ダイヤ動くかを表示 (最大~3)
    • ランニング (伸び) / リバース (縮み) の違い
    • クッションが回転を調整 (足す/削る) するギアリング
    • 文献 (Dr. Dave bank/kick) で裏取り
  2. クッション鼻の高さ (高い→バンク長い/低い→短い)、 ラシャの走り (速い布→よく走る)、 衝突中の側スピン消費を追加。 台コンディションで手玉の跳ね返りと走りがどう変わるかを体感できる。

    • クッション鼻の高さで bank の長短 (高い→長い)
    • ラシャの走り (転がり摩擦) で走行距離が変化
    • 衝突中の側スピン消費を反射に反映 (積み残し回収)
    • 文献 (Dr. Dave / Mathavan / WPA) で裏取り
  3. クッションの堅さ・活き (反発係数 COR) と、 速い球ほど跳ね返りが落ちる速度依存を可視化。 活きた台と死んだ台で手玉のクッション反射がどう変わるか、 速度で実効 COR がどう下がるかを体感できる。

    • クッションの堅さ (base COR) スライダー
    • 速い球で COR が落ちる速度依存を反射に反映
    • 実効 COR (この速度) を表示
    • 文献 (Mathavan 2010 / Dr. Dave / WPA 規格) で裏取り
  4. 連続球 (コンビ) で、 1球目が貰う捻り (貰い捻り) が2球目にどうスロウを与えるか、 フローズン (密着) とすきまありで throw がどう変わるかを可視化。 フローズンはストップショット相当、 すきまがあると1球目が転がって throw が減る、 を体感できる。

    • 貰い捻り (spin transfer) を衝突計算に追加
    • 1球目→2球目 の連鎖衝突でスロウ伝播を再現
    • フローズン (密着) vs すきまありの throw を比較
    • 文献 (Dr. Dave / 査読論文) で裏取りして実装
  5. デフレクション (squirt)・スワーブ (swerve)・スロウ (throw) の 3 つを 1 枚に重ね、 横を撞いたとき的玉が狙いからどれだけズレるか (総合補正量)、 横を撞いても狙い通り出せるピボット長 (BHE) まで出す。 シリーズ B「エイミングの核心」 の締め。

    • squirt・swerve・throw を的玉面で 1 本にまとめる
    • スロウを速度依存に (遅い球ほど大きい) 較正
    • 総合補正量 (①−②+③) を cm で表示
    • ピボット長 (BHE) は手玉側だけの相殺と整理
  6. キューを立てて撞くと手玉が曲がるスワーブ (swerve) を可視化。 速度非依存の squirt を、 速度依存のスワーブがどう打ち消すか、 両者が相殺するピボット長まで、 立て角と速度を変えて観察できる。

    • 立て角×速度でスワーブ (曲がり) を計算
    • squirt (速度非依存) と swerve (速度依存) の差し引きを表示
    • 正味のズレが 0 になるピボット長を算出 (BHE の根拠)
    • 衝突前の手玉パスを「逃げて戻る」 曲線で描画
  7. 横を撞くと手玉が狙い線から「逃げて」 出るデフレクション (squirt) を可視化。 構えた狙い線 (キュー) と実際の手玉パスのズレ、 シャフト先端質量 (LD) による違い、 そして squirt 角が速度にほぼ依存しないことを観察できる。

    • エンドマスモデルで squirt 角を計算 (Alciatore / Shepard)
    • 構えた狙い線と実際の手玉パスのズレを同時表示
    • シャフト先端質量スライダー (標準 ↔ ローデフレクション)
    • squirt 角は速度にほぼ依存しない (スロウ/スワーブとの違い)
  8. v3 の 1 クッションを最大 5 回まで拡張。反射ごとの「貰い捻り」 (cushion による side spin 変化) と摩擦エネルギーロスを可視化。多段反射時の球場感覚の物理化。

    • 反射 0〜5 回を切替えて軌跡を観察
    • 反射ごとの side spin 変化 (貰い捻り) を物理計算
    • phase ごとに色変えで反射回数を視覚化 (青→水色→紫→桃)
    • 反射ポイントは黄色マーカーで明示
  9. 衝突後の手玉軌跡を sliding/rolling の数値積分で出し、押し玉/引き玉/ストップショットで curving する様子を可視化。さらに 1 回までクッション反射を統合し、ポジションプレイの物理が見える形に。

    • 衝突後 sliding phase の 2D 数値積分 (Marlow Ch.5)
    • 押し玉でフォロー / 引き玉でドロー / stun shot で 90°
    • クッション反射 (1 回まで, side spin 効果込み)
    • クッション ON/OFF トグル + 反射点マーカー
  10. 的球を追加して衝突を 2D 化。撞点 (縦・横) × 厚み × 初速 で生まれる「スロウ (throw)」を、的球の理想ライン (点線) と実際の進路 (実線) の差として可視化。

    • 弾性衝突 + 球-球摩擦 (Marlow / Shepard)
    • CIT (Cut-Induced Throw) と SIT (Spin-Induced Throw) を統合
    • 90 度ルール基準線と理想/実際ライン同時表示
    • 撞点 縦/横、厚み、初速の 4 スライダー対話
  11. Marlow (1994) 摩擦モデルと剛体球の角運動量保存則で、撞点 h と初速 v から手玉の挙動を 1D シミュレート。

    • Marlow 摩擦 + 剛体球モデル
    • 滑り→転がり遷移を解析解で計算
    • ミスキュー判定 (|h|/R > 0.5)
    • スライダー対話・履歴・凡例
  12. v11「クッションスロウ」 を公開。 次のテーマを構想中…

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