中小企業のためのSEO入門 ─ 広告との違いと最初にやるべき3つのこと
SEOとは検索で見つけてもらうための地道な整備のこと。広告が「蛇口の水」ならSEOは「井戸」です。予算の限られる中小企業がやるべきことを3つに絞り、怪しい業者の営業トークの見分け方までまとめました。

「SEO をやったほうがいい」と言われても、何をすることなのかが分からない。業者から営業の電話は来るが、頼んでよいのか判断がつかない。この記事は、そうした中小企業の方に向けて書いています。
SEO(エスイーオー)とは、Google などで検索されたときに、自社のホームページを見つけてもらいやすくする工夫のことです。日本語では「検索エンジン最適化」といいますが、実際にやることは「検索した人の疑問に答えるサイトに整えること」です。
この記事では、SEO の仕組みと広告との違いを説明したうえで、中小企業が最初にやることを 3 つに絞り、営業電話を見分けるときの目安まで、Google が公開している情報を元にまとめます。
SEO とは ─ 検索結果で見つけてもらう工夫
お客様が何かを探すとき、「札幌 外壁塗装」「豊平区 税理士」のように検索することがよくあります。このとき検索結果の上のほうに自社サイトが出れば、広告費を掛けずにお客様と出会えます。
Google は、検索した人の役に立つページを上に出そうとしています。「札幌 外壁塗装」と調べた人には、札幌で外壁塗装をしていて、内容が分かりやすい会社のページを出したいわけです。SEO でやることも、それに合わせてサイトを整えることです。
- 検索する人が知りたいことに、ページの中で答えているか
- 会社の場所や仕事の内容が、初めて見た人にも伝わるか
- スマートフォンでも読みやすいか

広告との違い ─ お金で買う枠と、育てる枠
検索結果には、「スポンサー」の表示が付いた広告の枠と、その下に並ぶ通常の結果(自然検索)があります。
| 比べる点 | 検索広告(リスティング広告) | SEO(自然検索) |
|---|---|---|
| 載るまでの早さ | 出稿すればすぐ | 時間を掛けて少しずつ |
| 費用の掛かり方 | 主にクリックされるたびに課金 | 作業の手間(外注なら制作費) |
| 止めたとき | 掲載もすぐ止まる | 積み上げたページは残る |
| 向いている場面 | 今すぐ反応がほしいとき | 長く集客する土台づくり |
例えるなら、広告は「蛇口をひねると出る水」、SEO は「掘るのに時間が掛かる井戸」です。蛇口はお金を止めた瞬間に水も止まります。井戸は掘るまでが大変ですが、掘れてしまえば水を汲むのにお金は掛かりません。

予算の限られる会社では、SEO を土台にして、広告は次のような「今すぐ」の場面に絞ると費用が膨らみにくくなります。
- 開業直後や新サービスの開始で、すぐに反応がほしいとき
- 季節商品や繁忙期の予約など、時期が決まっている募集
- 作ったページの反応を、短い期間で確かめたいとき
広告を出す前に、飛び先のページが整っているかも確かめます。ページが整っていないと、広告費を払って呼んだ人がそのまま帰ってしまいます。原因の切り分けは 問い合わせが来ない 5 つの原因 にまとめています。
中小企業がやるべきこと 1 ─ Googleビジネスプロフィール
「地域名 + 業種」で検索すると、通常の検索結果より上に、地図と店舗の一覧が出ることがあります。ここに載るための仕組みが Googleビジネスプロフィール(旧 Googleマイビジネス)で、登録も運用も無料です。ホームページ本体の順位とは別の入口になるので、地域で商売をしている会社は最初に手を付けます。
- 会社名・住所・電話番号・営業時間を正しく登録する
- 店舗や現場の写真を載せる
- お客様からの口コミに返信する
地図枠の表示順は「関連性・距離・知名度」で決まり、知名度には口コミの数と評価も使われると Google は説明しています(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。登録の手順は Googleビジネスプロフィール登録のやり方 に、口コミの頼み方と返信の書き方は Googleマップの口コミの増やし方 にまとめています。

中小企業がやるべきこと 2 ─ お客様の疑問に答える記事
2 つ目は、お客様が検索しそうな疑問に答えるページを、少しずつ増やすことです。「外壁塗装 時期 目安」「相続 手続き 何から」のような検索に答える記事があれば、その記事が会社を知ってもらう入口になります。
題材は、日頃お客様から聞かれる質問から探すと見つけやすくなります。同じ疑問を検索で調べている人がいる手掛かりになるからです。ネタの探し方は お知らせ・ブログに何を書くか で扱っています。建設・工務店の方は 建設・工務店向けのご案内、士業の方は 士業事務所向けのご案内 もあわせてどうぞ。
書くときは、次の形にすると失敗しにくくなります。
- 1 つの記事で答える疑問は、1 つに絞る
- 結論を先に書き、理由や補足を後に続ける
- 専門用語は、お客様に口で説明するときの言葉に置き換える
- 書いた後は、その記事から問い合わせが増えたかを見る
会社概要やサービス紹介などの固定ページの書き方は ホームページの原稿の書き方 に、効果の見方は アクセス数の見方 にまとめています。
中小企業がやるべきこと 3 ─ サイトの基本設定
難しい技術対策の前に、次の 4 点を確かめます。
| 確かめる点 | なぜ大事か | 自分での確かめ方 |
|---|---|---|
| 各ページのタイトルに「地域名 + 業種 + 会社名」が入っているか | 検索結果の見出しは、主にページのタイトルから作られる | ブラウザのタブに出る文字を見る |
| スマートフォンで崩れず読めるか | Google はスマートフォン向けの表示で中身を読み取っている | 自分のスマートフォンで全ページを開く |
| 表示が極端に遅くないか | 画像が重すぎると、開く前に閉じられる | 外出先の回線で開いてみる |
| 会社の基本情報(住所・電話・営業時間)が書かれているか | 見た人が地図の情報と見比べて確かめられる | 会社概要のページと Googleビジネスプロフィールを見比べる |
検索結果の見出しは、ページのタイトル(title 要素)やページ内の見出しなどから Google が作ります(Google 検索セントラル タイトルリンク)。全ページのタイトルが「トップページ」のままだと、何のページかが検索結果で伝わりません。

スマートフォンでの見え方
Google は 2024 年 7 月 5 日以降、すべてのサイトをスマートフォン向けの表示で読み取って検索に登録しています(Google 検索セントラル ブログ)。スマートフォンで表示されない中身は、検索に使われません。文字が小さすぎる、ボタンが押しにくいといった見づらさは、見た人が問い合わせる前に離れる原因になります。仕組みと費用感は スマホ対応とレスポンシブ にまとめています。
制作会社に確認するときの聞き方
- 「各ページのタイトルは、どういう決まりで付けていますか」
- 「スマートフォンでの表示は確認済みですか」
- 「画像の容量は軽くしてありますか」
あわせて、サイトの住所が「https://」で始まっているかも見ておきます。意味と確かめ方は SSLとセキュリティの基本 に、これから作る段階なら 制作会社の選び方 にまとめています。
地域名の入れ方 ─ 札幌・北海道の会社の場合
お客様は「札幌 外壁塗装」だけでなく、「東区 外壁塗装」「北広島 外壁塗装」のように、自分の住む区や市町村の名前で探すこともあります。
- 対応エリアは「札幌市内」で止めず、対応している区と近隣の市町村の名前を書く
- 施工事例やお知らせには、「◯◯区で行った◯◯の工事」のように現場の地名を入れる
- 住所の表記は、会社概要と Googleビジネスプロフィールで揃える
地名は、事例の中に出てくるのがいちばん自然な形です。その地域で実際に仕事をしている証拠になるからです。事例の載せ方は 建設会社・工務店のホームページの作り方 で扱っています。
北海道では、除雪、屋根の雪下ろし、水道管の凍結、冬タイヤの保管のように、季節によって探される言葉が変わる業種があります。こうした記事は、シーズンの前に用意しておきます。除排雪業の考え方は 除排雪業向けのご案内 にまとめています。
怪しい SEO 業者の見分け方
Google は、SEO 業者を選ぶときの注意を公開しています(Google 検索セントラル)。次の言葉が出たら、そのまま契約せずに中身を確かめてください。
| 営業の言葉 | 確かめること |
|---|---|
| 「必ず 1 位にします」 | Google は「一番上に掲載されることは誰にも保証できない」と書いています |
| 「Google と特別な関係があります」 | Google は「特別な関係」を強調する業者に注意するよう呼び掛けています |
| 「Google 広告を出せば検索の順位も上がります」 | Google は、広告を出しても検索結果での表示には影響しないと書いています |
| 「被リンクを大量に付けます」 | 順位のためにリンクを買うことは、Google のスパムのポリシー違反です |
なお、「Google Partners」は Google 広告の運用の力を認定する制度です(Google 広告 ヘルプ)。広告の代理店がこの認定を名乗るのは正当ですが、検索の順位とは関係ありません。
成果報酬型で確かめること
「1 位になったら課金」という成果報酬型は、何を成果と呼ぶかで中身が変わります。検索する人がほとんどいない言葉で 1 位になっても、問い合わせは増えません。契約前に、対象の言葉と、その言葉を探している人がどれくらいいるかを確かめてください。
頼む前に、書面で出してもらうこと
- 毎月「何をするか」の作業内容
- 成果を、順位だけでなく問い合わせの数でも見るかどうか
- 途中でやめるときの条件
SEO のよくある誤解 ─ やっても効かないこと
| よくある誤解 | Google の説明 |
|---|---|
| キーワードをたくさん入れるほど上がる | 同じ言葉の過度な繰り返しはスパムのポリシー違反(SEO スターター ガイド) |
| 「メタキーワード」の設定が大事 | Google 検索はメタキーワードを使っていない(同じガイド) |
| 毎日更新しないと順位が落ちる・文字数が多いほど上がる | 好む文字数は無いと明言し、多くの話題を量産することには注意を促している。更新の回数で評価するとは説明していない(役に立つコンテンツの作成) |
| 作り直せば順位が上がる | ページの住所(URL)が変わるなら、古い住所から新しい住所への永続的な転送を勧めている。移転中は順位が一時的に変動することがある(URL の変更を伴うサイト移転) |
作り直しで住所が変わるのに転送を設定しないと、古い住所は「ページが見つかりません」になり、ブックマークや検索結果から来た人がそこで止まります。見積もりの段階で、転送の設定が含まれているかを確かめてください。費用の考え方は ホームページのリニューアル費用相場 で説明しています。
まとめ ─ SEO は誠実さの積み重ね
- SEO は、検索した人の役に立つサイトに整える地道な作業だと分かった
- 広告は即効性、SEO は積み上げ。SEO を土台に、必要な時期だけ広告を足すことにした
- Googleビジネスプロフィールを登録し、住所・電話・営業時間を正しく入れた
- お客様からよく聞かれる質問を書き出し、記事の題材にした
- 各ページのタイトル・スマートフォンでの表示・表示速度・会社情報の 4 点を確かめた
- 順位を保証する業者や、「Google と特別な関係がある」と言う業者とは契約しないと決めた
LIT STUDIO で作るホームページは、スマホで見やすい作りとアクセス解析(Google アナリティクス)の設置を基本の料金に含みます。今のホームページから作り直すときの、ページと画像の移しかえと古い住所からの案内(転送)は、「今のホームページからの引っ越し」という別のメニューです。金額は 料金ページ でご確認いただけます。
よくある質問
Q.SEOの効果はどのくらいで出ますか?
Q.SEOは自分でできますか? 業者に頼むべきですか?
Q.「必ず検索1位にします」という営業は信用できますか?
Q.「Google Partners」を名乗る会社は、検索の順位も上げられますか?
Q.対応エリアの地名は、ホームページのどこに書けばいいですか?
Q.ホームページを作り直せば、検索順位は上がりますか?
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