警備会社のホームページの作り方 ─ 信頼と採用に効くサイトの条件
警備業者は、2024年4月から認定の標識を自社のサイトにも載せる決まりです。載せなければならないものと、発注担当者・求職者が比べるときに見るもの(区分ごとのページ・実績・研修・入口の分け方)を分けて整理しました。

警備は、契約する前に中身を手に取って確かめられない仕事です。施設の管理会社、イベントの主催者、建設現場の元請けは、候補に挙がった警備会社がどんな会社かを、契約の前に調べます。ホームページはその調べ物に答える場所です。
警備会社のホームページには、もう一つ特徴があります。2024年4月から、警備業法で、認定を受けたことを示す「標識」を自社のサイトに載せることが決まりました。載せていないサイトは、見た目がどれだけ整っていても直す必要があります。
この記事では、サイトに載せなければならないものと、発注担当者と求職者に向けて載せると判断しやすくなるものを分けて書きます。
警備会社のホームページで確かめられること
サイトを見に来るのは、主に次の2種類の人です。
| 見る人 | 知りたいこと |
|---|---|
| 発注担当者(施設・イベント・建設現場など) | 認定を受けた会社か、対応できる警備の区分、実績、研修、何かあったときの体制、対応エリア |
| 求職者 | 仕事の中身、勤務の形、待遇、研修、一緒に働く人の様子 |
発注担当者は、候補の会社を比べ、上司に「この会社なら任せられる」と説明する材料を探しています。そのため、きれいな言葉より、確かめられる事実が並んでいるかどうかが効きます。「安心・安全」はどの会社も書くので、比べる材料になりません。

ホームページに載せなければならない「標識」
2024年4月1日から、警備業の認定証が廃止され、代わりに「標識」の掲示が義務になりました。警備業法第6条は、認定を受けたことを示す決まった様式の標識を、主たる営業所の見やすい場所に掲げ、あわせてネットで公開するよう定めています。ネットでの公開は、自社のウェブサイトに載せる形で行います(警備業法・警備業法施行規則 第6条・第7条)。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 何を載せるか | 施行規則で決まった様式(別記様式第二号)の標識 |
| どこに | 主たる営業所の見やすい場所と、自社のウェブサイト |
| 載せなくてよい場合 | 常時使う従業者が5人以下の場合、自社が管理するウェブサイトが無い場合 |
| 注意 | サイトの運用を制作会社などに任せていても、自社のサイトなら載せる必要があります |
標識の作り方や載せ方は、各都道府県警察が案内しています(例: 長野県警察の案内)。北海道の会社は、主たる営業所のある地域の警察署か北海道警察の案内で確かめてください。
載せる内容 ─ 業務の区分・会社概要・研修・緊急時の体制
標識のほかに、発注担当者が比べるときに見るものを揃えます。
業務内容は警備の区分ごとにページを分ける
発注担当者は、自分の案件に当てはまる区分だけを読みます。区分ごとにページを分けると、検索からもそのページに直接入ってもらえ、担当者がそのページの住所だけを上司に送ることもできます。
| 区分 | 主な現場 | ページに書くこと |
|---|---|---|
| 施設警備 | 商業施設・オフィスビル・工場など | 常駐の体制、対応できる時間帯、巡回の考え方 |
| 交通誘導警備 | 道路工事・建設現場・駐車場など | 配置できる人数の目安、対応エリア、検定に合格した警備員がいるか |
| 雑踏警備(イベント) | 催事・スポーツ・式典など | 来場者の規模への対応、事前の打ち合わせの進め方 |
| 機械警備 | 無人の施設・店舗など | 異常があったときに駆けつける体制 |
交通誘導警備では、道路や現場によって、検定に合格した警備員を置くことが求められる場合があります。対応できるかどうかを書いておくと、元請けが判断しやすくなります。
会社概要は確かめられる形で
- 認定をした公安委員会と認定番号
- 加入している保険と、所属している団体
- 代表者名・所在地・設立年などの基本の情報
研修は「法律の時間数」の上で何をしているか
警備員の教育には、法律で決まった最低限があります。新しく警備業務に就く人には基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上、現に働いている人には毎年度10時間以上です(施行規則第38条。資格や経験によって時間数が変わる場合があります)。営業所ごと・警備の区分ごとに警備員指導教育責任者を選ぶことも、法律の義務です(警備業法第22条)。
どの会社も行っていることなので、これを書くだけでは差は付きません。差が付くのは、その上で何をしているかです。
- 法定の時間を超えて行っている訓練と、その中身
- 現場ごとの事前研修や、引き継ぎの仕方
- 検定や資格の取得を会社がどう支えているか
- 研修の様子の写真

緊急時の体制と、見積もりの窓口
何かあったときの連絡の流れ、管制の有無、責任者への連絡のつき方を書きます。見積もりの窓口は、電話に加えて、現場の種類・場所・期間・時間帯を選ぶだけのフォームを置きます。フォームの見直し方は 問い合わせが増えるホームページの作り方 にまとめています。
実績と写真の載せ方 ─ 契約先と隊員への配慮
実績は、社名を出せなくても「大型商業施設の常駐警備」「来場者数千人規模のイベント」のように、現場の種類と規模で書けます。続いている年数も事実として書けます。
隊員の写真は、次の3つを先に決めておきます。
- 顔が写る隊員からは、掲載の同意を取る。退職した後の写真の扱いも決めておく
- 現場の写真は、契約先の建物や配置が分からない角度で撮る
- 研修室や訓練の写真から始める
撮り方は ホームページの写真はスマホで十分? で説明しています。
発注担当者に向けたページの作り方
検索では「地域名と警備の区分」で探される
候補に挙がる前の段階では、発注担当者は「札幌 交通誘導 警備」「イベント警備 北海道」のように、地域と区分で検索します。区分ごとのページの題名に地域を入れ、対応エリアは市町村の名前で書きます。「道内全域」だけでは、どこまで来てもらえるかが分かりません。
地名だけを入れ替えた同じ中身のページを量産するやり方は、読む人の役に立たず、検索でも評価されにくいので避けてください。地図に会社の情報を出す方法は Googleビジネスプロフィールの登録、検索の基本は 中小企業のためのSEO入門 にまとめています。
社内で回せる資料を置く
警備の発注は、担当者だけでなく上司や総務が確認して決まります。そのまま社内で回せる資料があると、話が進みやすくなります。
- 会社案内の PDF
- 料金の考え方(金額でなく、何で決まるかの説明でよい)
- 区分ごとの対応エリアの一覧

求人ページ ─ 応募する人が見るもの
求人媒体で会社を知った人が、応募する前に会社のサイトを見に来ることがあります。そのとき見たいのは、自分がそこで働く様子を思い浮かべられる材料です。
- 実際に働いている隊員の声(年齢層や前の仕事も)
- 1日の勤務の流れと、シフトの例
- 研修の様子。未経験の人が気にするところです
- 資格取得の支援や、昇給の仕組み
トップページで「警備のご依頼」と「採用情報」の入口を分けると、それぞれのページを相手に合わせて書けます。採用ページの作り方は 中小企業の採用ページの作り方 に、人手の確保が課題になる点が共通する業種の例は 運送会社のホームページの作り方 にまとめています。

隊員を守る方針を示す ─ カスハラ対策
2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法で、カスタマーハラスメント(カスハラ)を防ぐための措置がすべての事業主の義務になりました。方針を決めて社内に知らせること、相談に応じる体制を作ること、起きたときに事実を確かめて対応することなどが求められています。
ホームページでできるのは、隊員を守る会社の方針を短く載せることと、相談の窓口があることを採用ページに書くことです。義務の中身と、記録の残し方・方針の書き方は カスハラ対策の記録の残し方とホームページでの示し方 にまとめています。
制作を頼む前に決めておくこと
デザインの好みより先に、次の5つを決めて渡すと、打ち合わせが短く済みます。
- 対応する警備の区分と、力を入れたい区分 ── ページの数と順番がここで決まります
- 対応エリア ── 市町村の名前で。区分によってエリアが違うなら、それも
- サイトで増やしたいのは依頼か、応募か ── トップページで先に見せる入口が変わります
- 載せてよい実績の線引き ── 社名を出せる契約先があるか、種類と規模だけにするか
- 公開後の更新を誰がするか ── 求人や研修の様子を社内で更新するか
あわせて、標識・認定番号・保険・所属団体などの会社概要の情報と、研修や現場の写真を先に揃えておくと、制作費も期間も抑えやすくなります。費用は会社や構成で大きく変わるので、見積書の項目で比べてください。内訳の考え方は ホームページ制作の費用相場、揃えるものの一覧は ホームページ発注前の準備リスト、制作の流れは ホームページ制作の流れと期間 にあります。同じく法人の発注で選ばれるサイトの例として、建設会社・工務店のホームページの作り方 も参考になります。
まとめ ─ 公開前の確認リスト
- 様式どおりの標識を、自社のサイトに載せているか(従業者が5人以下などの場合を除く)
- 警備の区分ごとにページが分かれ、対応エリアを市町村の名前で書いているか
- 実績を「現場の種類と規模」で書き、警備計画に関わることを載せていないか
- 研修を、法律の時間数の上で何をしているかまで書いているか
- 見積もりのフォームがあり、電話以外でも依頼を受けられるか
- 依頼する人と働きたい人の入口が分かれているか
標識や教育の決まりの細かい判断は、警察署に確かめてください。この記事は、サイトに何を載せるかを整理したものです。
LIT STUDIO(札幌)は、関連会社(合同会社LIT)の警備会社 L.SECURITY のサイトを作りました。警備会社のホームページは 50,000円〜(5ページまで・最短3日)、採用のページを足す場合は 30,000円、保守は月5,000円です。相談と対応の記録を残す業務アプリ「カスハラ対応記録」も、ホームページと一緒に相談できます。業務アプリは、作ってあるものをそのまま使う「使ってみる」0円、手直しする「合わせる」50,000円〜、ゼロから作る「つくる」98,000円〜で、使うときは月2,980円〜(10人まで)です。警備業向けの案内は 警備業向けのページ にまとめています。
よくある質問
Q.従業員の少ない警備会社でも、サイトに標識を載せる必要がありますか?
Q.会社概要に認定番号を書いていれば、標識を載せたことになりますか?
Q.研修の時間数は、どう書けば比べてもらえますか?
Q.契約先の名前を実績に載せてもいいですか?
Q.カスハラ対策の方針は、サイトのどこに載せればいいですか?
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