LIT STUDIO
基礎知識約12分で読めます

Wix・STUDIO・WordPress比較 ─ 初心者の選び方と料金・移行のしやすさ

3つは優劣ではなく得意分野の違う道具です。早く出せるWix、デザインの自由度が高いSTUDIO、記事の運用と移しやすさのWordPress。見落とされがちな保守の手間と、移行のしやすさまで比べました。

包丁・ハサミ・カッターの3つを前に、どれを使うか考えている店主

ホームページを自分で作ろうと調べ始めると、候補に挙がるのが Wix・STUDIO・WordPress の 3 つです。比較記事をいくつ読んでも「結局どれがいいのか」が決まらないのは、3 つが得意分野の違う道具だからです。包丁とハサミとカッターを「どれが一番切れるか」で比べても、答えが出ないのと同じです。

この記事では、3 つの性格の違いと料金を押さえたうえで、「自分の場合はどれか」を決める基準まで整理します。

3ツールの比較 早見表

項目WixSTUDIOWordPress
一言でいうと機能をまとめてそろえた作成ツールデザインの自由度が高い国産の作成ツール自分で借りたサーバーに入れて使う仕組み
月額無料プランあり。有料はパーソナル・スモールビジネス・ビジネス・ビジネスプライム無料〜。有料は年払い 590円(Mini)〜本体は無料。サーバー代が別に掛かる
始め方テンプレートを選んで差し替えるテンプレートか白紙から組むテーマ(デザインの型)を入れて整える
学習コスト低い中くらい高い
ブログ・記事の運用できるできる(公開できる件数はプランで上限あり)最も得意
保守の手間ほぼ不要ほぼ不要自分で行う(更新・セキュリティ)
他ツールへの移行作り直しが前提作り直しが前提記事と画像を書き出して移せる

料金の詳しい内訳は次の節にまとめています。

表の読み方 ─ 下の2行が数年後に効いてくる

上の行(費用・始め方・学習コスト)は、契約前に誰もが気にする項目です。下の 2 行の「保守の手間」と「移行のしやすさ」は見落とされがちですが、数年後に効いてくるのはこちらです。入りやすい道具ほど、出るときに手間が掛かる傾向があります。

広く開いた正面の入口から楽に入る店主と、荷物で半分ふさがった小さな裏口
入口の広さだけで選ぶと、出るときに困ることがあります

「Wix Studio」と「STUDIO」は別のサービス

「Wix Studio」は、Wix 社が制作会社やフリーランス向けに出している版です。「STUDIO」は、日本発の別のデザインツールです。この記事の「STUDIO」は日本発のほうを指します。比較記事を読むときは、どちらの話かを先に確かめてください。

料金の見方 ─ 無料プランはお試しまで

無料プランは、ツール名入りの住所(URL)になり、独自ドメイン(自社名の URL)を使えません。名刺やチラシに載せる住所としては使いにくいので、お客様に見せる段階では有料プランと独自ドメインをセットで考えます。

Wix

プランは、パーソナル・スモールビジネス・ビジネス・ビジネスプライムの 4 つです。パーソナルでは代金の支払いを受け付けられないので、予約やネットショップでお金を受け取るなら、その上のプランが要ります(Wix ヘルプセンター「プレミアムプランを選択する」)。金額は、契約前に Wix の公式の料金ページで確かめてください。

STUDIO

プラン年払い(1か月あたり)月払い公開できる記事などの件数
Free0円0円100件
Mini590円1,290円100件
Personal1,190円1,720円1,000件
Business3,980円5,460円5,000件
Business Plus9,980円12,900円15,000件

出典: STUDIO 料金プラン(2026年10月時点。税込か税別かは公式ページで確かめてください)。独自ドメインをつなげるのと、STUDIO のバナーを消せるのは Mini からです。公式の料金ページでは、Mini・Personal が「個人利用」、Business 以上が「ビジネス利用」の区分に並んでいます。

WordPress

本体は無料ですが、サイトを置くサーバーの月額が掛かります(契約するサーバー会社とプランで変わります。月千円前後が目安)。さらに、保守を自分でやらない場合は、人に頼む月額が別に要ります。

費目Wix・STUDIOWordPress
ツールの月額プランによる本体は無料
サーバー代別に借りる必要なし別に掛かる
保守の作業ほぼ不要自分でやるか、人に頼む

ドメインやサーバーの仕組みは ドメインとサーバーとは? で説明しています。

Wixが向いている人 ─ とにかく早く形にしたい

Wix は、予約・ネットショップ・問い合わせフォームなど、既製の部品が最初からそろっている作成ツールです。テンプレートを選んで文章と写真を差し替えれば、公開までたどり着けます。

カレンダー・買い物かご・封筒の形をしたブロックを積み木のように組み合わせて、サイトを作っている店主
部品が最初から用意されているので、組み合わせるだけで形になります

向いている人

  • すぐに公開したい人
  • 予約や簡単な販売まで、1 つのツールで済ませたい人
  • デザインはテンプレートで十分な人

弱点とつまずきやすいところ

  • テンプレートを大きく崩すデザインは苦手で、崩そうとすると時間ばかり掛かります
  • 後から他のツールへサイトごと引っ越すことはできません。ブログ記事も、他のサービスへ書き出す機能はありません(Wix ヘルプセンター)
  • 独自ドメインを取らずに公開すると、あとで URL を変えることになります

どれも、「早く出す」道具に「作り込み」を求めたときに起きます。

STUDIOが向いている人 ─ デザインの見栄えを重視したい

STUDIO は日本発の作成ツールです。400 を超えるテンプレートから始めることも、白紙からレイアウトを組むこともできます(STUDIO 公式サイト)。配置や余白を細かく決められるのが特徴です。

向いている人

  • デザイン事務所、建設・工務店、美容室・サロン、ブランドを打ち出したい店など、見た目が印象を左右する業種
  • 画面や案内が日本語のツールを使いたい人
  • 写真を大きく見せる構成など、テンプレートから崩した配置を組みたい人

弱点

  • 自由度が高いぶん、配置を崩しすぎると読みにくいサイトにもなります
  • 予約や決済などの機能は、Wix ほどそろっていません
  • 他のツールへサイトごと移すことは想定されていないため、作り直しを前提に考えます

デザインに自信がない場合

  • テンプレートから始めて、写真と文章を差し替える
  • 写真の質を先にそろえる。レイアウトより写真が仕上がりを決めます
  • 文字の大きさと余白の種類を絞る

写真や原稿を先にそろえる段取りは ホームページ発注前の準備リスト が自作にもそのまま使えます。写真の撮り方は ホームページの写真はスマホで十分? を参考にしてください。

WixとSTUDIOの分かれ目

比べる点WixSTUDIO
デザインの出発点テンプレートテンプレートか白紙
配置の細かさテンプレートの枠の中細かく決められる
予約・決済などの機能そろっているWix ほどそろっていない
学習コスト低い中くらい

WordPressが向いている人 ─ ブログで長く育てたい

WordPress は、記事を書き続けて検索からの集客を育てたい人に向いています。前の 2 つと違い、自分で借りたサーバーに設置して使う無料の仕組みです。

強み

  • ブログ・記事の運用は、3 つの中で最も得意
  • 記事や画像のデータを書き出して、新しい環境へ移せる
  • 部品(プラグイン)を足して、機能を広げていける

何を書き続けるかを先に考えておくと止まりにくくなります。題材の見つけ方は 会社ホームページのお知らせ・ブログは何を書く? にまとめています。

向いている人

  • 記事を書き続けて、検索からの訪問を育てたい人
  • 将来の拡張や引っ越しの自由を残したい人
  • 管理の手間を引き受けられる人

弱点 ─ 保守を自分で行う

本体と部品の更新やセキュリティ対策を、自分で行う必要があります。更新されないまま置かれた WordPress は、攻撃の標的になりやすくなります。保守の中身は次の 3 つです。

  1. 本体とプラグインの更新
  2. 不正アクセスへの対策
  3. データのバックアップ

自分でやる場合は、更新の通知が来たら早めに当てる、バックアップの置き場と頻度を最初に決める、何か月も触らない期間を作らない、の 3 つを習慣にします。不正アクセス対策の最低限は ホームページのSSLとセキュリティの基本 にまとめています。

小さなサーバー箱の横で、鉢植えに水をやりながら南京錠を確かめている店主
WordPressは「置いたら終わり」ではなく、手入れを続ける前提の道具です

保守を人に頼む場合の月額の考え方は ホームページの維持費・管理費は月いくら? に書いています。

見落としがちな「移行のしやすさ」

事業が伸びて、プロに作り直してもらう段階になったときに、移行のしやすさの差が表に出ます。

引き継ぎたいものWix・STUDIOWordPress
ページの見た目と配置作り直し別のサーバーの WordPress へ移すなら、テーマごと引き継げる
記事・画像手元に保存して入れ直す書き出して移せる
独自ドメイン(URL)自分名義なら引き継げる自分名義なら引き継げる
検索の評価ドメインが同じで、古い住所から新しい住所へ転送すれば引き継ぎやすい同じ

Wix でも、CMS(データベースの機能)に入れた内容は CSV で書き出せます(Wix ヘルプセンター)。

ドメインが自分名義なら、資産は守れる

これは「だから WordPress にすべき」という話ではありません。独自ドメインを自分名義で取っておけば、作り直しの費用は掛かっても、URL と検索の評価は引き継げます。 ここを押さえておけば、Wix や STUDIO で始める判断も十分に成り立ちます。

古い小さな家から新しい家へ書類と写真の段ボールを運ぶ店主と、同じ場所に残っている郵便受け
建物(サイト)は建て替えても、住所(ドメイン)が同じなら訪ねてくる人は迷いません

作り直しに備えて、手元に残しておくもの

  • 各ページの文章(原稿)
  • 写真とロゴの元データ
  • 独自ドメインの契約情報(どこで取ったか・名義・更新日)

制作会社を替えるときの手順は ホームページ制作会社の乗り換え方 に書いています。

WixからWordPressへ移行する手順と費用の考え方

Wix のサイトを丸ごと WordPress へ移す方法はありません。移行とは、実際には「WordPress で作り直して、住所(ドメイン)と検索の評価を引き継ぐこと」です。

移るもの・作り直すもの

今の Wix にあるもの移行でどうなるか
ページの見た目・配置WordPress で作り直す
文章と写真手元に保存して、新しいサイトへ入れ直す
ブログ記事1 本ずつ移し替える(本数が多いほど手間が増える)
予約・フォーム・ネットショップWordPress 側の仕組みで作り直す
独自ドメイン自分名義なら、そのまま使い続けられる
検索の評価古いページの住所から新しい住所へ転送すれば、引き継ぎやすい

移行の手順

  1. 今のページと住所(URL)の一覧を作る ── 記事も含めて全部。これが移行の設計図になります
  2. 文章と写真を手元に保存する ── Wix の契約を整理する前に済ませます
  3. サーバーを借りて WordPress で作る ── 公開前は、今のサイトを表に出したまま進めます
  4. 古い住所から新しい住所への転送を設定する ── 記事の住所の形が変わることが多いため、1 本ずつ対応させます
  5. ドメインの向き先を新しいサーバーに切り替える ── Wix で取ったドメインも、登録は Wix に置いたまま、DNS の設定(ネームサーバーや A レコード)を変えて新しいサーバーに向けられます。別の会社への移管は必須ではありません(Wix ヘルプセンター「Wix ドメインのネームサーバーを変更する」)
  6. 表示と問い合わせフォームを確かめてから、Wix の契約を整理する

4 番の転送を省くと、これまで検索から来ていたページが「見つかりません」になり、評価を引き継げません。

移行の費用は何で決まるか

  • ページ数 ── 作り直す量そのものです
  • 記事の本数 ── 移し替えと転送設定の手間が、本数に比例して増えます
  • 機能 ── 予約やネットショップを移すなら、その分の作り込みが加わります
  • デザイン ── 今の見た目を再現するか、この機会に作り直すか

費用の組み立ては、作り直し(リニューアル)とほぼ同じです。考え方は ホームページのリニューアル費用相場 にまとめています。見積もりを頼むときは、手順 1 の一覧を添えると金額が正確になります。

どれを選ぶかの判断基準

判断フロー ─ 上から順に当てはめる

  1. 記事を書き続けて検索で集客したい → WordPress(保守の体制もセットで)
  2. 見た目の作り込みを優先したい → STUDIO
  3. 早く公開し、予約や販売の機能も 1 つで済ませたい → Wix
  4. どれも自信がない・時間がない → 自作にこだわらず、外注を考える段階

4 に当てはまる場合の判断の分かれ目は 自作と外注の比較 に詳しくまとめています。

お客様がどこから来るかで決める

お客様の来かた向く選択
検索で記事を読んで来てもらうWordPress
SNS から来て、サイトで確かめてもらうWix または STUDIO
紹介や名刺から来て、サイトで確かめてもらうWix または STUDIO
まだ決めていない先に集客の方法を決める

SNS を入口にする考え方は ホームページとSNSどっちを先にやるべき? で整理しています。そもそもホームページが要るのかで迷っている場合は、小さな会社にホームページは必要? が先です。

外注する場合に聞くこと

制作会社に頼む場合も、判断の軸は同じです。見積もりのときに次の 3 つを聞いておきます。

  1. 何の仕組みで作るのか
  2. 保守は誰がやるのか、月額はいくらか
  3. 将来、データは持ち出せるのか

まとめ ─ ツール選びより先に決めること

ツールを決める前に、次の点を確かめてください。

  • サイトに何をさせたいか(予約を取る・写真で印象づける・記事で検索から来てもらう)を 1 行で書けるか
  • お客様がどこから来るか(検索・SNS・紹介)を決めたか
  • 独自ドメインを自社名義で取る段取りができているか
  • WordPress なら、保守を誰がやるか決めたか
  • Wix や STUDIO なら、将来の作り直しを織り込んだか

LIT STUDIO では、コーポレートサイト・お店のサイト・LP を 50,000円〜(5ページまで)、保守を月 5,000円で承っています。最短 3 日で公開できます。料金の内訳は 料金ページ、AI を使うと費用がどう変わるかは AIを使ったホームページ制作はなぜ安い? に書いています。自作で始めるか、最初から頼むかで迷っている場合は、お問い合わせ からご相談ください。

よくある質問

Q.完全な初心者にはどれがおすすめですか?
すぐに公開したいならWix、テンプレートから始めて配置を作り込みたいならSTUDIOが向いています。WordPressはサーバーの契約と保守を自分で行うため、管理に時間を割けない場合は負担が大きくなります。
Q.WixやSTUDIOで作ったサイトは、後からWordPressに移せますか?
ページの見た目はそのまま移せず、作り直しになります。Wixのブログ記事も、他のサービスへ書き出す機能はありません。ただし独自ドメインが自分名義なら、古い住所から新しい住所への転送を設定して、URLと検索の評価を引き継げます。
Q.STUDIOの料金はいくらですか?
2026年10月時点の公式料金で、Freeは0円、Miniは年払い1か月590円(月払い1,290円)、Personalは1,190円(1,720円)、Businessは3,980円(5,460円)です。独自ドメインはMiniから使えます。公式の料金ページでは、Business以上が「ビジネス利用」の区分に並んでいます。
Q.Wixで取ったドメインは、WordPressへ移るときに移管が必要ですか?
必須ではありません。Wixの公式ヘルプのとおり、登録はWixに置いたまま、ネームサーバーやAレコードの設定を変えて新しいサーバーに向けられます。管理を1か所にまとめたい場合に、別の会社へ移管する方法もあります。
Q.WordPressの保守は具体的に何をするのですか?
本体とプラグイン(追加の部品)の更新、不正アクセスへの対策、データのバックアップが中心です。自分でやる時間が取れない場合は、保守を人に頼む月額を見込んでおいてください。
Q.無料プランのままで運用してもいいですか?
お試しには使えますが、事業のサイトには向きません。無料プランはツール名入りのURLになり、独自ドメインを使えず、ツールの広告やバナーも表示されます。STUDIOはMiniから独自ドメインをつなげられます。
Q.「Wix Studio」と「STUDIO」は同じものですか?
別のサービスです。Wix Studioは、Wix社が制作会社やフリーランス向けに出している版です。STUDIOは日本発の別のデザインツールです。

あわせて読む