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AIを使ったホームページ制作はなぜ安い? 速くなる工程と変わらない工程

「AIで作るから安い」の中身を工程ごとに分解。AIで短くなる作業と、AIを使っても一切短くならない作業、そして安さの裏で削られやすい打ち合わせ・原稿・写真・公開後の窓口まで書きました。

事業主と小さなロボットが机を並べ、ロボットは画面の部品を組み立て、事業主は写真とメモを広げている様子

「AIで作るので、この価格でできます」。ここ 1〜2 年、制作の見積書でこの一文を見かけるようになりました。

同じ会社サイトの依頼なのに、A 社は 40万円、B 社は 15万円。差の説明が「AI活用だから」の一言だけだと、かえって不安になります。

この記事では、制作側の人間として工程ごとに種明かしをします。AI で短くなる作業と、AI を使っても短くならない作業を分けて書きました。

安さの裏で削られやすい部分も、隠さずに並べます。

「AI制作は安い」の理由 ─ 値引きではなく作る時間が減っている

AI 制作が安いのは、制作会社が利益を削っているからではありません。同じものを作るのに掛かる人の時間が、実際に減るからです。

ホームページの値段は「人が動いた時間」の値段

ホームページは工場で作る製品ではありません。値段のほとんどは、人が机に向かった時間の代金です。

デザイナーが 5 日かけていた作業が 2 日で終われば、その 3 日分がそのまま値段から消えます。これが AI 制作の安さの正体です。

値段の決まり方そのものは、ホームページ制作の費用相場で詳しく説明しています。

AIが触れるのは工程の一部だけ

制作は大きく 5 つの工程に分かれます。AI が効くのは、このうちの一部です。

工程やることAI が効くか
企画・打ち合わせ要望を聞き、構成を決めるほとんど効かない
デザイン見た目の案を作る効く(案を出すところまで)
実装案をブラウザで動く形にするよく効く
原稿・写真文章を書く、撮影する半分だけ効く
確認・修正見てもらい、直す直す側だけ効く

「効く」と書いた行にも、人が判断する部分は残ります。AI が出した案をそのままお客様に出すことはできません。

5つの工程が横一列に並び、真ん中の2つは小さなロボットが手伝って速く進み、両端は人が腕を組んで考え込んでいる様子
速くなるのは真ん中だけ。両端は人が考える時間のままです

同じ「AI活用」でも下がり幅は違う

AI を使う工程の範囲が会社ごとに違うので、下がり幅も変わります。

  • 実装だけに使っている会社 … 下がり幅は小さい
  • デザイン案から実装、修正の往復まで通して使う会社 … 下がり幅は大きい
  • 見積もりづくりや進行管理にも使う会社 … 打ち合わせ回りの手間も減る

LIT STUDIO は AI との共同開発を前提にした作り方で、HP 制作を 15万円〜・最短 1 週間で受けています。内訳は料金ページに載せています。

AIを使っても安くならない費用もある

人の時間ではない費用は、AI を使っても変わりません。ここは値段の下がらない部分です。

  • サーバー代・ドメイン代(公開後もずっと掛かります)
  • 撮影を頼んだときのカメラマンの費用
  • 有料の写真素材やフォントの利用料
  • 予約システムなど、外部のサービスを組み込む場合の月額

見積書に「AI活用で割引」と書いてあっても、この行は下がらないのが普通です。下がっていたら、何を削ったのかを聞いてみてください。

AIで速くなる工程 ─ たたき台・実装・修正の往復

AI で短くなるのは「作る工程」です。中でも、たたき台づくり・実装・修正の往復の 3 つがはっきり速くなります。

1. たたき台を作る時間

ゼロから 1 案目を出すまでが、従来はいちばん重い作業でした。ここが大きく短くなります。

  • 構成案(どのページに何を置くか)の下書き
  • デザインの方向性を複数パターン出す
  • 文章の下書き(事実は後で差し替える前提)

大事なのは、たたき台は完成品ではないことです。速く出せるようになった分を、直す回数に回すのが正しい使い方です。

2. 組み上げる作業(実装)

デザインをブラウザで動く形にする作業は、AI との相性がよい部分です。似た部品を数多く作る場面ほど効きます。

  • ページの骨組みを組む
  • スマホの画面幅に合わせる
  • お問い合わせフォームなど、よくある仕組みを組み込む

スマホ対応の中身については、ホームページのスマホ対応とは?で説明しています。

3. 直して、見せ直すまでの往復

「ここの色を変えたい」と言われてから、直したものを見せるまでの時間が短くなります。

従来は修正をまとめて数日後に見せる形が普通でした。往復が速くなると、打ち合わせのその場で直した画面を見せられる場面が増えます。

これは値段だけでなく、出来にも効きます。迷ったときに 2 案を並べて比べられるからです。

速くなる3つに共通していること

この 3 つは、どれも「答えがもう決まっていて、あとは形にするだけ」の作業です。

裏を返すと、答えがまだ決まっていない作業は速くなりません。次の章がそれです。

AIでは速くならない工程 ─ 要望の整理・原稿・写真・確認

答えが発注側の頭の中にしかない工程は、AI を使っても短くなりません。これは制作会社の体制に関係なく同じです。

1. 「誰に何を伝えるか」を決める

最初の打ち合わせで決める「誰に向けたサイトか」「何を一番に伝えるか」は、社外の誰にも代われません。

AI は聞き方の案を出せますが、答えそのものは持っていません。ここを飛ばすと、きれいだけれど何も伝わらないサイトになります。

  • 来てほしいのは、新規のお客様か・求人の応募者か
  • 問い合わせのきっかけになるのは、価格か・実績か・人柄か
  • 同業と比べて、自分の強みだと言い切れるものは何か

この整理そのものに迷う方は、小さな会社にホームページは必要?から読むと考えやすくなります。

2. 原稿の中身(事実の部分)

AI は文章の下書きを作れます。ただし、下書きに入るのは「ありがちな言い回し」までです。

創業の経緯、対応できる範囲、断っている仕事、料金の考え方。この手の事実は、社内から出すしかありません。

事実の入っていない原稿は、読む人にもすぐ伝わります。ここを外すと、安く作れても問い合わせにつながりません。

3. 写真

写真は、AI で用意できない代表格です。自社の事務所・スタッフ・現場・商品は、撮るしかありません。

  • スマホで撮ったものでも、実物であれば十分に効く
  • 撮影を頼むと、その分だけ見積もりが上がる
  • 素材写真(よそのモデルの写真)だけのサイトは、信用されにくい

何を揃えればよいかは、ホームページ発注前の準備リストにまとめています。

4. 確認と判断

出てきた案を見て「これでいく」と決めるのは、いつまでも発注側の仕事です。

AI で案が速く出るようになると、確認をお願いする回数はむしろ増えます。決める人が捕まらないと、そこで全部止まります。

台所のテーブルで白紙のノートを前にし、自分の店の強みを言葉にしようと考え込んでいる事業主
ここだけは代われません。AIを使っても、考える時間は短くなりません

速くならない工程が、全体の期間を決める

作る側が速くなるほど、全体の期間を決めるのは「決める側の速さ」になります。

安さの裏で削られやすいもの

安い見積もりのすべてが AI のおかげとは限りません。工程以外の所を削って安く見せている場合があります。

削られやすい5つ

削られている所起きること契約前の聞き方
打ち合わせの回数要望のずれに気付くのが遅れる打ち合わせは何回まで含まれますか
原稿の作り込みそれらしいが中身の薄い文章になる原稿は誰が書きますか
写真素材写真ばかりで実物が写っていない撮影は費用に入っていますか
修正の回数途中から 1 回いくらの追加になる修正は何回まで無料ですか
公開後の相談窓口公開後に連絡が付かなくなる公開後の質問はどこまで対応されますか

削ること自体が悪いわけではありません。削ったことが見積書に書いてあるかが分かれ目です。

「一式」とだけ書かれた見積もりの読み方は、ホームページ制作の見積書の見方で説明しています。

質問を書いた紙を持つ事業主の向かいに、誰も座っていない打ち合わせ用の椅子がある静かな会議室
安さの中身が「打ち合わせを減らすこと」だった場合、後から気付きます

値段だけで選ぶと、作り直しになることがある

安いこと自体は悪くありません。問題になるのは、安い理由を知らないまま契約したときです。

公開してから「写真を差し替えたい」「文章を直したい」となったときに、それが別料金だと後から知る。この順番になると、予算の計画が崩れます。

実際に起きやすいつまずきは、ホームページ制作の失敗事例6選に並べています。契約前に一度目を通しておくと、聞き忘れが減ります。

「AIで安い」会社に聞いておく6つの質問

工程の言葉で答えが返ってくるかどうかで、中身のある安さかが分かります。

打ち合わせや見積もりの段階で、次の 6 つを聞いてみてください。順番に並べてあります。

  1. AI はどの工程で使っていますか(デザイン案・実装・修正のどれが出てくるか)
  2. 安くなっているのは、どの作業の時間が減ったからですか
  3. 原稿と写真は、どちらが用意しますか
  4. 打ち合わせと修正は、それぞれ何回まで含まれますか
  5. 公開後の更新は自分でできますか。できない場合の費用はいくらですか
  6. サイトのデータとドメインの名義は、こちらのものになりますか

答えに困る質問は 1 つもありません。どれも社内で決まっているはずのことです。

言葉を濁される項目があったら、そこが後でもめる場所だと思って構いません。

質問を書いたリストを手に、机の向かいのWeb制作者へ一つずつ尋ねている事業主
6つとも、答えに困るはずのない質問です

「AI で作っています」だけで判断しない

今はどの制作会社も、何らかの形で AI を使い始めています。使っていること自体は、もう差になりません。

見るべきなのは、浮いた時間をどこに回しているかです。値段に回す会社もあれば、打ち合わせや修正の回数に回す会社もあります。

制作会社の選び方そのものは、ホームページ制作会社の選び方にまとめています。

AI活用型の制作が向くケース・向かないケース

ページ数が多くなく、原稿と写真を自分で出せる依頼ほど、AI 活用型の良さが出ます。

向き・不向きの一覧

状況向いているか理由
5〜10 ページの会社サイトを作りたい向いている作る工程の割合が大きく、時間の短縮がそのまま値段に出る
原稿と写真を自社で出せる向いている速くならない工程を自分で埋められる
まず公開して反応を見たい向いている早く出して、後から直す進め方と相性がよい
中身がまだ何も決まっていない向かない決める工程が長引き、速さが活きない
ブランドの世界観を一から作りたい場合による案出しは速いが、決めるための時間は別に要る
予約や会員管理など仕組みが複雑場合による仕組みの設計は人の時間が要る

表の下 3 行に当てはまる場合でも、頼めないわけではありません。決める工程に時間が掛かる前提で、期間を長めに見ておけば問題ありません。

「まだ何も決まっていない」段階なら、先に決めることを決めてから見積もりを取ると、金額のぶれが小さくなります。

作り方そのものを選ぶ話とは別

ここで書いているのは「誰に頼むか」の話で、「何で作るか」の話ではありません。

WordPress・Wix・STUDIO といった作り方の違いは、Wix・STUDIO・WordPress比較で説明しています。どの作り方でも、AI を使う会社と使わない会社があります。

LIT STUDIO では、HP だけでなく業種特化の業務アプリとセットで作る依頼も受けています。建設の北海工務店様、ごほうび菓子店様などの実績は制作実績に載せています。

AI制作のよくある不安に答える

相談でよく聞かれる 4 つの不安に、順番に答えます。結論から言うと、どれも「AI だから」ではなく「作り方の決め方」の問題です。

中身の薄いサイトになりませんか

原稿の事実を社内から出す形にしておけば、薄くはなりません。薄くなるのは、下書きをそのまま本番の文章にした場合です。

下書きに「創業から何をやってきたか」「どこまで対応できるか」を足していく作業は、AI の有無に関係なく必要です。

原稿に何を書けばよいか迷うときは、問い合わせが増えるホームページの作り方が参考になります。

他社と似た見た目になりませんか

見た目が似るのは、AI を使ったからではなく、既製の型をそのまま使ったときです。この 2 つはよく混同されます。

  • 既製の型に流し込む … 同じ型を使った他社と似る
  • AI で案を出す … 案の数を増やせるので、むしろ選べる幅は広がる

どちらの作り方かは、見積もりの段階で聞けば分かります。「デザインは型を使いますか、新しく作りますか」の一言で構いません。

公開後、自分で更新できますか

更新できる範囲は、AI とは関係なく「どこまで更新の仕組みを入れたか」で決まります。

お知らせだけ自分で更新したい、料金表も直したい、といった希望は先に伝えてください。範囲を広げるほど費用は上がります。

月々に掛かる費用の中身は、ホームページの維持費・管理費にまとめています。

作った会社と連絡が付かなくなったら直せますか

これは AI 制作に限った話ではなく、すべての制作で起きる問題です。備えは 2 つだけです。

  • サイトのデータ一式を、自社でも受け取れる契約にしておく
  • ドメインとサーバーの契約名義を、自社にしておく

この 2 つが揃っていれば、別の会社へ引き継げます。引き継ぎの手順はホームページ制作会社の乗り換え方に書いています。

まとめ ─ 安さの理由を工程で説明できるか

見積もりに「AI活用」と書いてあったら、次の 6 点を確かめてみてください。

  • 安い理由が「どの工程の時間が減ったか」で説明されている
  • 速くならない工程(要望の整理・原稿・写真・確認)が自分の側に残ると分かっている
  • 原稿と写真を、契約前から集め始めている
  • 打ち合わせと修正の回数が、見積書に書いてある
  • 公開後の相談窓口と、更新のやり方を確認した
  • サイトのデータとドメインの名義が自社になると確認した

この 6 点のうち、AI に関係があるのは最初の 1 つだけです。残りの 5 つは、どんな制作会社に頼むときでも同じように効きます。

逆に言えば、AI という言葉に気を取られて、いつもの確認を飛ばしてしまうのがいちばん危ない進め方です。

AI で安くなるのは事実です。ただし、安くなるのは作る工程だけで、伝えたいことを決める仕事は今までどおり残ります。

そこが残ると分かったうえで頼めば、AI 活用型は費用にも期間にも効きます。「うちの場合はどうか」を具体的に聞きたい方は、お問い合わせからどうぞ。見積もりだけの相談でも構いません。

よくある質問

Q.AIを使うと、ホームページ制作はなぜ安くなるのですか?
ホームページの値段はほとんどが人の作業時間の代金です。AIで短くなるのは、たたき台を作る・組み上げる(実装)・直して見せ直す、の3つの工程です。この時間が減った分がそのまま値段から引かれます。値引きではなく、掛かる時間そのものが変わっている点が違います。
Q.AIを使っても短くならない工程はどこですか?
「誰に何を伝えるか」を決める打ち合わせ、原稿の事実の部分、自社の写真、出てきた案を見て決める確認と判断の4つです。答えが発注側の頭の中にしかないため、制作会社の体制に関係なく人の時間が要ります。結果として、全体の期間は発注側の準備と判断の速さで決まります。
Q.安い見積もりは、何を削って安くしているのでしょうか?
削られやすいのは、打ち合わせの回数・原稿の作り込み・写真の撮影・修正の回数・公開後の相談窓口の5つです。削ること自体が悪いわけではなく、削った内容が見積書に書いてあるかが分かれ目です。「打ち合わせは何回まで含まれますか」「修正は何回まで無料ですか」と聞けば、その場で分かります。
Q.AIで作ったホームページは、中身が薄くなりませんか?
原稿の事実を社内から出す形にしておけば薄くなりません。薄くなるのは、AIが作った下書きをそのまま本番の文章にした場合です。創業の経緯、対応できる範囲、断っている仕事、料金の考え方といった事実は社内にしかないので、そこを足す作業はAIの有無に関係なく必要になります。
Q.AI活用型の制作会社に頼むとき、事前に準備することはありますか?
会社概要とサービス説明のメモ(箇条書きで可)、ロゴのデータ、使えそうな写真、参考にしたい同業サイト2〜3件の4点です。AI活用型は制作側の待ち時間が短いぶん、契約したその週に素材を求められます。先に揃えておくと、全体の期間が大きく変わります。

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