LIT STUDIO相談する
集客・運用約9分で読めます

中小企業の採用ページの作り方 ─ 求人サイトに頼らず応募を増やす

求人サイトは見つけてもらう場所、自社の採用ページは確かめてもらう場所です。応募者が必ず見る5つのことと、曖昧な言葉を応募につながる書き方に置き換える方法をまとめました。

夜、台所のテーブルでスマホを持ち、会社のページをじっと見ている求職者

「求人サイトに毎月お金を払っているのに、応募が来ない」。採用の相談で、いちばん多く聞く言葉です。

求人サイトには人を集める力があります。ただ、そこで会社を見つけた人は、応募ボタンを押す前にほぼ必ず会社のサイトを見に来ます。

その受け皿が無いと、せっかく生まれた興味がそこで止まります。この記事では、中小企業が自社のホームページに採用ページを作るときの中身を、制作側の立場から具体的に書きます。

求人サイトと自社の採用ページは役割が違う

求人サイトは「見つけてもらう」ための場所で、自社の採用ページは「本当にここでいいかを確かめてもらう」ための場所です。

この 2 つを同じものとして扱うと、どちらも中途半端になります。役割を分けて考えると、何を書けばよいかがはっきりします。

応募者はだいたい 2 回見ている

求人サイトで気になる会社を見つけた人は、その場では応募しません。会社名で検索して、会社のサイトを開いて、そこで初めて応募するかどうかを決めます。

つまり応募者の動きは「求人サイトで見つける」「会社のサイトで確かめる」の 2 段階です。最後の判断は自社のサイトで起きています。

机の上でスマホの求人一覧とパソコンの会社ページを見比べている求職者
求人サイトで見つけた人は、会社のサイトを開いてから応募を決めます

2 つの違いを表で見る

見るところ求人サイト自社の採用ページ
役割見つけてもらう確かめてもらう
書ける量決まった枠の中だけ制限がない
写真枚数に上限があることが多い何枚でも載せられる
費用掲載のたびに掛かる作った後は維持費だけ
掲載が終わったら見られなくなるそのまま残る

求人サイトは枠が決まっているので、書ける量にどうしても限りがあります。自社のページなら、写真も文章も好きなだけ載せられます。

求人サイトをやめる話ではありません

誤解されやすいので先に書いておきます。この記事は「求人サイトをやめましょう」という話ではありません。

求人サイトは、まだ会社を知らない人に出会うための入口として有効です。ただ、入口だけあって受け皿が無いと、払ったお金の効きが半分になります。

  • 求人サイトは「人が通る道」を借りている
  • 自社の採用ページは「自分の店の中」に当たる
  • 道だけ借りても、店の中が空っぽなら買ってもらえない

最初は 1 ページで足ります

採用サイトを別に立ち上げる必要はありません。今あるホームページに、採用ページを 1 枚足すところから始めて問題ありません。

大切なのは枚数ではなく、この後に書く 5 つが書いてあるかどうかです。ページを分けるのは、職種が増えてから考えれば十分です。

  • まずは「採用情報」のページを 1 枚だけ作る
  • メニューの分かりやすい位置に入口を置く
  • 職種が 3 つ以上に増えたら、職種ごとにページを分ける

応募者が採用ページで必ず見る 5 つのこと

応募者が見ているのは、仕事の中身・1日の流れ・働いている人・待遇の書き方・応募の手間の 5 つです。

順番にも意味があります。上から順に「自分に務まるか」「生活がどう変わるか」と、具体的な想像に近づいていきます。

5 つと、その裏にある不安

見るところ応募者が本当に知りたいこと
仕事の中身自分に務まる仕事かどうか
1日の流れ朝は何時で、帰りは何時になるのか
働いている人どんな人たちと一緒に働くのか
給与・休みの書き方今の生活が成り立つかどうか
応募の手間今この場で応募まで進めるか

この 5 つのうち 1 つでも分からないと、応募者は「とりあえず保留」にします。そして保留にしたものは、たいてい戻ってきません。

逆に、読み飛ばされやすいもの

一方で、力を入れて作ったのにあまり読まれない部分もあります。

  • 長い代表挨拶(会社の歴史から始まるもの)
  • 抽象的な理念だけが並んだページ
  • 「アットホームな職場です」のような、どの会社でも書ける言葉

代表挨拶や理念が要らないという意味ではありません。応募を決める材料としては後回しになる、というだけです。ページの上のほうには、先ほどの 5 つを置くほうが効きます。

仕事の中身は「1日の流れ」で見せる

業務内容を箇条書きで並べるより、朝から夕方までの流れを時刻つきで並べるほうが、はるかに想像してもらえます。

「積み込み・配送・点検」と書かれても、応募者には自分の生活に置き換えられません。何時に起きて、何時に帰れるのかが分からないからです。

時刻を入れて並べるだけで変わる

書き方は難しくありません。出社から退勤までを、時刻とやることの 2 列で並べるだけです。

書く欄中身
時刻「8:00」のように実際の時刻を入れる
すること動作が分かる言葉で書く(「準備」ではなく「車両の点検と積み込み」)
ひとことその時間ならではの感覚や、慣れるまでの目安

ポイントは、きれいに整えないことです。昼休みを取る場所や、夕方の混み具合のような細かい話ほど、読んだ人の記憶に残ります。

朝の出社から夕方の退勤まで、1日の作業の場面が左から右へ5つ並んでいる図
時刻とやることを並べるだけで、応募者は自分の生活に置き換えられます

繁忙期と閑散期の差も書く

季節で仕事量が変わる業種なら、その差も書いておきます。隠しても入社後に必ず分かることだからです。

  • いちばん忙しい時期はいつで、そのとき何が変わるか
  • 逆に落ち着く時期はいつか
  • 忙しい時期の残業や休日出勤が、実際どのくらいか

除排雪や建設のように季節の波が大きい業種では、ここを書いてあるかどうかで信用が変わります。業種ごとの見せ方は建設会社・工務店のホームページの作り方にも書いています。

複数の職種があるなら分けて書く

事務・現場・ドライバーなど職種が複数あるなら、1 日の流れは職種ごとに分けます。まとめて 1 本にすると、どれも自分のことに思えません。

ページを分けるのが大変なら、同じページの中で見出しを分けるだけでも十分です。

給与・休み・残業の書き方

待遇は、曖昧な言葉を「応募者が自分で判断できる形」に置き換えるだけで反応が変わります。

金額を高く見せる工夫の話ではありません。読んだ人が、自分の生活に当てはめて計算できるかどうかの話です。

曖昧な言葉を置き換える

曖昧な書き方応募者が判断できる書き方
高収入月給を下限と上限の幅で出す
休みあり週の休日数と、年間の休日数を書く
未経験歓迎未経験で入った人が、何か月で一人で回せるようになったか
手当充実手当の名前と、付く条件を並べる
残業少なめふだんの月と、多い月の目安をそれぞれ書く

正確な 1 つの数字を出すのが難しくても、幅でなら書けるはずです。幅で書いてあるほうが、何も書いていないより応募されます。

都合の悪いことも書いたほうが続く

休みが少ない時期がある、夜勤がある、といった点は、隠さずに書くほうが結果的にうまくいきます。

入社後に知ると「話が違う」になりますが、先に書いてあれば「承知のうえで来た人」になります。採用にかかった手間が無駄になりにくいのは、後者です。

先輩の顔と声を載せる

働いている人の写真と一言があるだけで、応募のハードルは目に見えて下がります。応募者がいちばん想像できないのが「一緒に働く人」だからです。

きれいな写真を撮る必要はありません。顔が見えて、その場の空気が伝わればそれで足ります。

写真は「きれいさ」より「本物らしさ」

素材集のような写真は、応募者にもすぐ分かります。実際の事務所や現場で撮った写真のほうが、多少荒くても効きます。

  • 事務所・車庫・作業場で、いつもの服装のまま撮る
  • 全員が真正面を向いていなくてよい。作業中の横顔でも十分
  • スマホで撮った写真で構わない

声は 3 つの質問で集まる

「何か一言書いて」と頼むと、たいてい当たり障りのない文章が返ってきます。質問を決めて聞くと、具体的な言葉が出ます。

  1. なぜこの会社を選んだか
  2. 入る前に不安だったことと、入ってからどうだったか
  3. 1 日の中でいちばん好きな時間はいつか

3 番目は意外に効きます。「昼に現場の近くの店で食べるのが楽しみ」のような答えが、いちばん人柄を伝えてくれます。

会社の車の前に並んだ年配の社員と若手社員を、同僚がスマホで撮影している場面
現場で撮った普段どおりの写真のほうが、応募者には伝わります

顔出しが難しいときは

警備や運送のように、現場の都合で顔を出しにくい場合もあります。その場合は無理に顔を出さず、別の見せ方にします。

  • 後ろ姿や手元だけを写す
  • 名前は「入社 3 年目・20 代」のように属性だけにする
  • 写真の代わりに、勤務の流れを図にして載せる

警備業の採用ページの考え方は警備会社のホームページの作り方、ドライバー採用は運送会社のホームページの作り方で、それぞれ業種の事情に沿って書いています。

応募の手間を減らす ─ スマホで終わる形に

応募者の大半はスマホで見ています。スマホだけで数分のうちに応募まで終わる形にすると、取りこぼしが減ります。

どれだけ良い内容を書いても、最後の応募フォームで面倒だと感じられたら、そこで終わります。

入力欄は減らすほど応募が増える

いきなり職務経歴まで書かせると、途中で離脱されます。最初は連絡が取れる最低限だけにして、残りは面接の前に聞けば足ります。

最初に聞く欄後で聞けばよい欄
名前住所
電話番号かメールアドレス職務経歴
希望の職種志望動機
連絡が付きやすい時間帯履歴書の添付

欄を 1 つ減らすたびに、応募は少しずつ増えます。 迷ったら「これは面接の前に聞けないか」と自問してください。

短い入力欄が3つと大きなボタンが表示されたスマホと、その横に置かれた長い紙の応募用紙
スマホの画面で完結する短いフォームが、応募の取りこぼしを減らします

応募ボタンの置き場所

応募ボタンは 1 か所だけでは足りません。読み終わった人がすぐ押せるように、複数置きます。

  • ページの上のほう(読む前に決めている人向け)
  • 1 日の流れや先輩の声の直後(気持ちが動いた直後)
  • ページのいちばん下

電話で応募したい人もいます。番号はタップでそのまま掛かる形にしておきます。スマホでの見え方そのものはホームページのスマホ対応とはで説明しています。

送った後の 1 通が効く

応募フォームを送った直後の自動返信に、次の一文を入れておきます。

  • 応募を受け取ったこと
  • だいたい何日以内に連絡するか
  • 連絡が来ない場合の問い合わせ先

ここが無いと、応募者は「届いたのだろうか」と不安なまま待つことになります。フォームそのものの作り方は問い合わせが増えるホームページの作り方にまとめています。

公開してから手を入れる所

採用ページは作って終わりではありません。面接で出た質問を書き足していくと、半年ほどで見違えるページになります。

新しく書き起こす必要はありません。手元にある材料を移していくだけです。

最初に見るのは 3 つの数字だけ

細かい分析は要りません。次の 3 つだけ追えば十分です。

見る数字分かること
採用ページを見た人の数求人サイトから会社のサイトに来ているか
応募フォームを開いた人の数ページの中身が応募の気持ちまで届いたか
実際に送信された数フォームで止まっていないか

2 番目と 3 番目の差が大きければ、原因はフォームにあります。1 番目と 2 番目の差が大きければ、本文の中身が足りていません。数字の見方はホームページのアクセス数の見方で説明しています。

面接で出た質問をそのまま足す

面接で毎回聞かれる質問は、ページに書いていない情報です。聞かれるたびにメモしておいて、まとめてページに足します。

  • 「制服は貸してもらえますか」
  • 「免許は入社後に取れますか」
  • 「子どもの行事で休めますか」

こうした質問は、面接まで来なかった人も同じように気にしています。書いておけば、その分だけ応募が増えます。

求人サイトから自社のページへ渡す

求人サイトの掲載枠には、外部リンクを載せられないことがあります。その場合でも、応募者を自社のページへ渡す方法はあります。

  • 掲載文の中に「詳しくは会社名で検索してください」と一言入れる
  • 会社名で検索したとき、採用ページが上のほうに出るようにしておく
  • 会社名と職種を組み合わせた言葉を、採用ページの見出しに入れておく

応募者はほぼ確実に会社名で検索します。そのときに採用ページが見つからないと、求人サイトに払ったお金が途中で止まります。

業種によって効く場所が違う

同じ採用ページでも、業種によって力を入れる場所は変わります。

自社の業種で応募者が何を不安に思うかは、実際に入った人に聞くのがいちばん早いです。入社 1 年目の社員に「応募前に何が知りたかったか」を聞いてみてください。

まとめ ─ 採用ページの見直しチェックリスト

いま自社の採用ページを開いて、次の 6 点を確認してみてください。

  • 仕事の中身が、時刻つきの「1 日の流れ」で書いてあるか
  • 給与・休み・残業が、幅でよいので具体的に書いてあるか
  • 実際に働いている人の写真と、その人の言葉が載っているか
  • 応募フォームが、スマホで数分で終わる欄数になっているか
  • 応募ボタンが、ページの上・途中・下の複数か所にあるか
  • 面接でよく聞かれる質問が、ページに書き足されているか

6 つとも埋まっている中小企業のサイトは、まだ多くありません。逆に言えば、埋めるだけで同じ地域の同じ業種の中で目立てます。

LIT STUDIO は札幌の Web 制作スタジオで、AI との共同開発によってホームページ制作を 15 万円〜、最短 1 週間で作っています。業種特化の業務アプリとホームページをセットで作っているので、採用ページの中身も業種の事情に合わせて組み立てられます。

採用ページだけを既存のサイトに足したい場合も対応できます。何から手を付ければよいか分からないときは、お問い合わせから今の求人の状況をそのまま送ってください。書き方の整理からご一緒します。

よくある質問

Q.求人サイトに出しているのに、採用ページも要りますか?
求人サイトで会社を見つけた人は、応募ボタンを押す前にほぼ必ず会社名で検索して、会社のサイトを確認します。採用ページが無いと、そこで興味が止まります。求人サイトは入口、自社の採用ページは受け皿で、役割が違います。まずは今のホームページに採用ページを1枚足すところから始めて構いません。
Q.採用ページには何を書けば応募が増えますか?
応募者が見ているのは、仕事の中身・1日の流れ・働いている人の顔・給与や休みの書き方・応募の手間の5つです。特に効くのは、出社から退勤までを時刻つきで並べた「1日の流れ」です。業務内容を箇条書きで並べるより、生活に置き換えて想像してもらえます。
Q.給与を具体的に書くのが難しいのですが、どう書けばいいですか?
1つの金額に決められない場合は、下限と上限の幅で書いてください。「高収入」「好待遇」のような言葉より、幅で書いてあるほうが応募されます。休みは週の休日数と年間の休日数、残業はふだんの月と多い月の目安を分けて書くと判断してもらえます。なお、求人を出すときに明示しなければならない事項は法律で決まっているため、募集前に厚生労働省の公開資料を確認してください。
Q.応募フォームの入力欄はいくつくらいが適切ですか?
最初は連絡が取れる最低限だけにします。名前、電話番号かメールアドレス、希望の職種、連絡が付きやすい時間帯の4つ程度で十分です。住所・職務経歴・志望動機・履歴書の添付は、面接の前に聞けば足ります。欄を1つ減らすたびに応募は少しずつ増えます。

あわせて読む