清掃・ビルメン会社のホームページの作り方 ─ 見積依頼につながるサイト
清掃の発注は、何社かを比べて決まります。料金の目安を条件つきで出す方法、建築物衛生法の登録や資格の書き方、すでに義務になっている薬剤の記録を正しく伝える書き方、見積もりのフォームの作り方をまとめました。

オフィスや店舗、ビルの清掃は、何社かに見積もりを取って比べてから決めることのある仕事です。比べる担当者が見るのは、どんな清掃に対応できるか、だいたいいくらか、信頼できる会社か、頼みやすいか、の4つです。ホームページでこの4つが分からない会社は、比べる候補に入りにくくなります。
この記事では、清掃・ビルメンテナンス会社のホームページに何を載せると見積もりの依頼につながりやすいかを、料金の目安の出し方、建築物衛生法の登録、薬剤の管理の書き方まで含めて書きます。
清掃・ビルメン会社のホームページの役割
清掃の発注担当者は、検索してサイトを見て、良さそうな会社にだけ問い合わせます。サイトは、その絞り込みに使われます。
担当者は、上司や管理組合に「この会社にしたい」と説明する立場にいることがあります。手元に書き写せる情報、つまり範囲と料金の目安と信頼の材料がサイトに書いてあると、その説明がしやすくなります。会社の理念や代表の想いは、そのあとに読まれるものです。

載せる内容 ─ 種類・料金の目安・エリア・信頼の材料・窓口
| 載せるもの | 具体的に書くこと |
|---|---|
| 清掃の種類 | 日常清掃・定期清掃・スポット清掃・ガラスや外壁など。業界の言い方には一言ずつ補足を添え、対応できないものも書く |
| 料金の目安 | 「◯㎡で月◯円〜」のように、条件と幅をつけて(次の章) |
| 対応エリア | 札幌市内の区の名前まで。近郊は「要相談」と添える |
| 信頼の材料 | 建築物衛生法の登録、資格、実績、追加料金が出る条件、薬剤の管理 |
| 見積もりの窓口 | 建物の種類・広さ・頻度を選ぶだけのフォームと電話 |
「何でもやります」は、読む人には伝わりません。種類を並べて書いたほうが、自分の依頼を見つけてもらえます。実績は社名を出せない現場が多いので、「札幌市内のオフィスビル」「路面店」のように建物の種類と規模で書けば足ります。
料金の目安の出し方
清掃の料金は、現場を見ないと正確に出せません。同じ広さでも、次のような条件で作業時間が変わります。
- 床の材質(タイル・カーペット・石材など)
- 汚れの度合いと、前回の清掃からの間隔
- 作業できる時間帯(営業中か、閉店後か)
- 建物の階数と、エレベーターや搬入経路の有無
それでも、比べている担当者が知りたいのは正確な金額ではなく、桁です。正確さを守ったまま目安を出すには、次の順に書きます。
- いちばん多い依頼の形を1つ決める(たとえばオフィスの定期清掃)
- その形での広さと頻度の前提を書く
- 「◯㎡で月◯円〜」と幅で書く
- 「現場を確認して正式なお見積りをお出しします」と添える

建築物衛生法の登録と、資格の書き方
ビルの清掃や衛生管理の事業は、建築物衛生法に基づいて、営業所ごとに登録を受けることができます。登録には、機械器具などの設備や、従事する人の資格についての基準があります(建築物衛生法 第12条の2)。
| 登録の種類 | 対象になる事業 |
|---|---|
| 建築物清掃業 | 建物の床などの清掃 |
| 建築物空気調和用ダクト清掃業 | 空調のダクトの清掃 |
| 建築物飲料水貯水槽清掃業 | 受水槽などの清掃 |
| 建築物排水管清掃業 | 排水管の清掃 |
| 建築物環境衛生総合管理業 | 清掃・空気環境・給排水などの総合的な管理 |
ほかに、空気環境の測定、飲料水の水質検査、ねずみや害虫の防除の登録もあり、全部で8種類です。登録を受けた営業所は「登録建築物清掃業」などと表示できます(第12条の3)。登録は義務ではありませんが、受けているなら、登録の種類と番号を会社概要に書いておくと、発注する側が確かめられます。
札幌市内の営業所の登録は、札幌市保健所が窓口です(札幌市の案内)。
資格は、名前を並べるだけでは伝わりません。「何ができる資格か」を一言添えてください。社員が何人持っているかも、確かめられる事実です。
薬剤・化学物質の管理の書き方
清掃で使う業務用の洗剤や薬剤には、労働安全衛生法でリスクアセスメント(危険性や有害性を調べて対策を決めること)の対象になる物質を含むものがあります。
すでに義務になっていること
| いつから | 中身 |
|---|---|
| 2023年4月1日 | リスクアセスメントの結果などを記録し、保存する(次にリスクアセスメントを行うまで。3年以内に次を行ったときは3年間) |
| 2024年4月1日 | 対象の物を扱う事業場ごとに、化学物質管理者を選ぶ |
| 2025年4月1日・2026年4月1日 | 対象の物質が大きく増えた(2026年4月は約780物質) |
一方で、「主として一般消費者の生活の用に供される製品」、つまり家庭用として売られている製品は、リスクアセスメントの対象から外れます(労働安全衛生規則 第12条の5・第34条の2の8)。自社がどの薬剤で対象になるかは、薬剤の安全データシート(SDS)を見て確かめます。制度の全体は 厚生労働省の化学物質管理のページ にまとまっています。判断に迷うときは、労働基準監督署に確かめてください。
サイトに書くこと
義務を守っていることをそのまま書けば、法人やビル管理の発注で、確かめてもらえる材料になります。長い文章は要りません。
- 使う薬剤をどう選んでいるか
- 安全データシートを確かめ、リスクアセスメントの記録を残していること
- 現場ごと・年度ごとに保管していること
保管棚や記録簿の写真が1枚あると、言葉だけより伝わります。

見積もり依頼のフォームは「選ぶだけ」にする
比べている途中の担当者は、まだどの会社にも決めていません。会社名・担当者名・住所・電話・メール・ご要望と並ぶフォームは、そこで閉じられやすくなります。
- 建物の種類(オフィス・店舗・マンション など)
- おおよその広さ
- 希望する頻度(毎日・週◯回・月◯回・1回だけ)
この3つを選択式にして、あとは連絡先だけにします。細かい条件は、折り返すときに聞けば足ります。送信ボタンの近くには、いつごろ返事が来るか、現地確認が要るか、見積もりは無料かを書きます。電話番号もページの上と下に置き、スマートフォンではタップで掛けられるようにし、受付時間を添えます。フォームのほかの見直しどころは 問い合わせが増えるホームページの作り方 にまとめています。

作業の前後の写真と、作業報告の見本
清掃は、終わった後には「きれいな状態」しか残りません。何をしたかを伝えるには、作業の前後を並べた写真と、作業の後に渡している報告書の見本が役に立ちます。
- 同じ場所を、同じ位置・同じ向きから撮る
- 床・窓・水まわりなど、差が出やすい場所を選ぶ
- 建物や入居している会社が分かる看板・書類・人の顔が写らないようにする
- 載せる前に、発注した側の了承を取る
1件ごとに建物の種類・作業の内容・かかった時間の目安を添えます。事例の書き方の型は 建設会社・工務店のホームページの作り方 の施工事例の考え方がそのまま使えます。定期清掃の報告書の見本(社名や建物名を伏せたもの)があれば、担当者が上司に説明するときの材料になります。撮り方は ホームページの写真はスマホで十分? で説明しています。
個人のお客様も受けるなら、入口を分ける
法人の定期清掃に加えて、エアコンや水まわりのハウスクリーニングも受けている会社は、トップページで「法人のお客様」「ご家庭のお客様」の入口を分けます。
| 比べる点 | 法人(定期清掃) | 個人(ハウスクリーニング) |
|---|---|---|
| 知りたいこと | 範囲・頻度・料金の目安・管理体制 | 品目ごとの料金・作業時間・立ち会いの要否 |
| 決め方 | 何社かを比べて、社内で決める | その場で予約するか決める |
| 役に立つ材料 | 実績・登録や資格・作業報告の見本 | 前後の写真・口コミ・予約のしやすさ |
個人のお客様は地図の口コミも見て選ぶので、Googleマップの口コミの増やし方 もあわせてどうぞ。
費用の目安と、制作を頼む前の準備
制作の費用は、ページ数と、フォームや予約などの機能で決まります。業種で決まる相場はないので、見積書の項目で比べてください。内訳の考え方は ホームページ制作の費用相場 にまとめています。
費用を抑えるには、載せる中身を自分で用意します。
- 対応できる清掃の種類を箇条書きにしておく
- 作業風景・スタッフ・道具の写真をスマホで撮っておく
- 登録の種類と番号、資格の正式な名前を控えておく
何を揃えるかは ホームページ発注前の準備リスト にあります。最初は清掃の種類・料金の目安・見積もりのフォームの3つから出し、実績や写真は仕事をしながら足していく順番でも構いません。人手の確保にも使うなら、採用ページを後から足せます(中小企業の採用ページの作り方)。
まとめ ─ 見積もりの依頼につながるサイトの確認リスト
- 対応できる清掃の種類が一目で分かるか
- 料金の目安を、条件と幅をつけて出しているか
- 対応エリアを区の名前まで書いているか
- 建築物衛生法の登録や資格を、確かめられる形で書いているか
- 薬剤の管理を、家庭用か業務用かの区別も含めて正しく書いているか
- 見積もりのフォームが「選ぶだけ」で、送信後に何が起きるかを書いているか
LIT STUDIO(札幌)では、清掃・ビルメン会社のホームページを 50,000円〜(5ページまで・最短3日)で作っています。保守は月5,000円です。化学物質のリスクアセスメントの記録を、複数の現場・複数の年度で台帳にする業務アプリ「化学物質RA記録台帳」も、ホームページと一緒に相談できます。業務アプリは、作ってあるものをそのまま使う「使ってみる」0円、手直しする「合わせる」50,000円〜、ゼロから作る「つくる」98,000円〜で、使うときは月2,980円〜(10人まで)です。アプリの費用の考え方は 業務アプリ開発費用の相場、業種向けの案内は 清掃・ビルメン業向けのページ にまとめています。
よくある質問
Q.建築物衛生法の登録を受けていなくても、ビルの清掃の仕事はできますか?
Q.家庭用の洗剤しか使っていません。化学物質のリスクアセスメントは要りますか?
Q.薬剤の管理について、サイトにどこまで書けばいいですか?
Q.見積もりのフォームで、建物の広さが分からないと言われたらどうしますか?
Q.作業の前後の写真を載せるとき、発注した側の了承はどう取ればいいですか?
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