ホームページの写真はスマホで十分? 撮り方のコツと失敗例
ホームページの写真はスマホで足ります。出来を分けるのは明るさ・背景・水平の3つです。プロに頼む場面の線引きと、よくある失敗の直し方、業種別に撮っておきたい写真をまとめました。

「ホームページに載せる写真、スマホで撮ったもので大丈夫ですか」。打ち合わせでいちばん多く聞かれる質問のひとつです。
結論から言うと、ほとんどの場面でスマホの写真で足ります。ただし「どう撮るか」で差が出ます。同じ店を同じスマホで撮っても、時間帯と背景を変えるだけで、まったく別の店に見えることがあります。
この記事では、制作側が実際に写真を受け取っていて「もったいない」と感じる場面を中心に、スマホで撮るときのコツと、よくある失敗の直し方をまとめました。特別な機材の話は出てきません。
スマホで足りる写真とプロに頼む写真
会社やお店の「ふだんの姿」を写す写真は、スマホで足ります。プロが要るのは、写真そのものが売り物になる場面だけです。
まず、どの写真をスマホで済ませてよいのかを整理します。ここがはっきりすると、撮影費を掛けるかどうかで迷わなくなります。
種類ごとの向き不向き
| 写真の種類 | スマホで足りるか | 理由 |
|---|---|---|
| 外観・看板まわり | 足りる | 明るい屋外は条件がよく、失敗しにくい |
| 店内・事務所・作業風景 | 足りる | 「ふだんの様子」が伝わればよい |
| 商品・料理・施工事例 | 条件つきで足りる | 明るさと背景を整えれば十分に見える |
| スタッフ・代表の写真 | 条件つきで足りる | 表情と清潔感が出ていればよい |
| 会社案内の表紙に使う一枚 | プロが向く | 写真そのものが会社の顔になる |
「条件つき」と書いた 2 つは、この記事の後半で説明する明るさと背景さえ押さえれば、スマホで問題なく使えます。
プロに頼む価値が出る 4 つの場面
逆に、次のような場面はプロに頼んだほうが結果が早く出ます。
- 全員の目が開いた集合写真を、確実に 1 枚残したいとき
- 高い場所や広い現場を、1 枚に収めたいとき
- 料理やアクセサリーなど、質感そのものが商品になるとき
- 採用ページの人物写真を、同じ雰囲気で何人分も揃えたいとき
制作会社経由でカメラマンを手配すると、見積もりは 10〜30 万円ほど上がります。金額の考え方はホームページ制作の費用相場で詳しく書いています。
「あとから差し替える」前提で始めてよい
写真が完璧に揃うまで公開を待つ必要はありません。まずスマホの写真で公開して、良い写真が撮れたら入れ替える進め方で問題ありません。
- 公開してから写真を差し替えるのは、作業としては小さい
- 季節で見た目が変わる業種は、そもそも撮り直しが前提になる
- 何を用意すればよいかの全体像はホームページ発注前の準備リストにまとめています
明るさ ─ いちばん差が出るところ
写真の出来は、機材ではなく明るさでほぼ決まります。暗い場所で撮らないだけで、大半の失敗は防げます。
暗い写真は、実物より古く、狭く、そして「閉まっている店」に見えます。これは腕の問題ではなく、光の量の問題です。
昼の時間帯に、窓を開けて撮る
店内や事務所は、照明だけで撮ると色が黄色や青に転びやすくなります。日中の自然光が入る時間帯に撮ると、色も明るさも安定します。
- カーテン・ブラインドを開けて、いちばん明るい時間に撮る
- 自分は窓を背にして立ち、光が被写体に当たる向きにする
- 蛍光灯と自然光が混ざると色が濁るので、明るければ照明を落として試す
逆光になってしまうときの直し方
窓や外を背にして人を撮ると、顔が真っ黒になります。いわゆる逆光です。これは撮り直せば必ず直ります。
- 立つ位置を 90 度ずらして、光が横から当たるようにする
- それでも暗いなら、被写体と自分の位置を入れ替える
- 屋外なら、日なたではなく明るい日陰に入ってもらう
- 画面の暗い部分を指でタップして、明るさを合わせ直す
明るさは「撮るとき」に合わせる
撮ったあとに明るくする方法もありますが、暗い写真を無理に持ち上げると画面がざらつきます。撮る時点で合わせるほうがきれいです。
スマホは画面をタップしたあと、指を上下に動かすと明るさを変えられます。少し明るめに寄せておくと、サイトに載せたときに軽い印象になります。

背景 ─ 撮る作業より片づけが効く
写真の印象は、主役ではなく背景で決まります。撮影の準備でいちばん効くのは、写る範囲を片づけることです。
きれいな商品を撮っても、後ろに段ボールが積まれていれば、見る人の目はそちらに行きます。これは本人ほど気づきにくいところです。
写り込みやすいもの
毎日見ている風景は、頭の中で自動的に消えてしまいます。撮る前に、次のものが画面に入っていないか確かめてください。
- 段ボール、掃除道具、コード類、脚立
- 飲みかけのペットボトル、私物のかばん、上着
- 古い貼り紙、伝票、在庫の棚
- 他社のロゴが大きく入った箱や機材
背景を消す 2 つの方法
背景を整える方法は 2 つだけです。片づけるか、寄るかです。
| 方法 | やること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 片づける | 画面に入る範囲だけ物をどける | 店内・作業風景など広く写す写真 |
| 寄る | 被写体に近づいて背景を減らす | 商品・料理・手元の写真 |
部屋全体を片づける必要はありません。画面に入るところだけで十分です。壁・木の板・カウンターなど「無地の面」を背景にできると、それだけで整って見えます。
人の写り込みは先に一言
お客様が写る可能性のある場所では、撮る前の段取りが要ります。あとから「消してほしい」と言われると、写真そのものが使えなくなります。

水平・角度・縦横の向き
傾いた写真は、中身が良くても素人っぽく見えます。逆に言えば、水平を合わせるだけで一段まともに見えます。
水平を合わせる
床・棚・カウンター・建物の輪郭を、画面の枠と平行にします。これだけで写真は落ち着きます。
- スマホのカメラ設定で「グリッド(画面に出る格子線)」を表示にしておく
- 建物は、縦の線が画面の縦と平行になる位置まで下がって撮る
- 傾きはあとから直せますが、直すと写真の端が切れます
立つ位置と高さ
高さを変えるだけで、同じ被写体がまったく違って見えます。目安は次のとおりです。
| 被写体 | 撮る高さ・角度 |
|---|---|
| 料理 | 真上から、または斜め 45 度から |
| 商品 | 商品の中心が目線の高さに来る位置 |
| 人 | 胸から上。見上げる角度は避ける |
| 外観 | 道の反対側から、建物全体が入る位置 |
| 作業風景 | 少し離れて、手元と全身の両方が分かる位置 |
縦か横か ─ 使う場所で決める
スマホは縦に構えるのが自然ですが、ホームページはパソコンの横長の画面でも見られます。使う場所から逆算して決めます。
| 使う場所 | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| トップページの大きな一枚 | 横 | パソコンの画面が横長 |
| サービス・事例の一覧 | 横または正方形 | 並べたときに高さが揃う |
| スタッフ紹介 | 縦または正方形 | 人は縦に収まりやすい |
| SNS にも使う予定 | 正方形を意識 | 端を切られても中心が残る |
迷ったら、横向きで、少し引いて撮るのが安全です。引いて撮った写真はあとから切り取って縦にできますが、寄って撮った写真はあとから広げられません。
スマホ側での見え方も気になるところですが、写真の切り取り方はサイト側で調整できます。画面の大きさごとの見え方はホームページのスマホ対応とはで説明しています。

何枚撮るか ─ 選ぶ前提で多めに
1 か所につき 5〜10 枚。その場で消さず、あとからパソコンの大きな画面で選ぶのが、いちばん失敗しません。
その場で「これでよし」と決めた 1 枚は、家に帰って見るとブレていたり、余計なものが写っていたりします。撮り直しに行く手間を考えれば、多めに撮るほうが結局は速いです。
同じ場所を、少しずつ変えて撮る
同じ構図を 10 枚撮っても意味がありません。次のように条件を変えて撮ります。
- 立ち位置を 1 歩ずらす(背景の写り方が変わります)
- 縦と横の両方で撮る
- 全体が入る 1 枚と、寄った 1 枚を組にする
- 人がいる 1 枚と、いない 1 枚の両方を撮る
小さい画面で合否を決めない
スマホの画面では、わずかなブレも、暗さも、写り込みも見えません。制作では写真を大きく使うので、小さい画面では気づけない粗が表に出ます。
- 撮った日のうちに、パソコンやタブレットの大きな画面で見返す
- ブレは拡大して確かめる。ピントが合っているのは一部だけ、ということがあります
- 「なんとなく暗い」と感じた写真は、載せるとさらに暗く見えます
渡すときは「元のサイズ」のまま
意外な落とし穴がここです。写真の送り方ひとつで、画質が落ちてしまうことがあります。
| よくある送り方 | 何が起きるか | どうするか |
|---|---|---|
| メッセージアプリで送る | 自動で小さく圧縮される | 「オリジナル」「実際のサイズ」を選ぶ |
| 画面のスクリーンショット | 画質が落ち、余計な部分も入る | 元の写真ファイルを送る |
| 資料に貼り付けて送る | 貼った時点で小さくなる | 写真ファイルを別で添付する |
小さい写真を大きく引き伸ばすと、ぼやけた仕上がりになります。撮ったままのファイルを、フォルダにまとめて渡すのがいちばん確実です。「外観」「店内」のようにフォルダを分けておくと、やり取りがさらに減ります。
よくある失敗例と直し方
受け取った写真でつまずくのは、暗い・背景が散らかっている・逆光・小さすぎる・人が写り込んでいる、の 5 つにほぼ集約されます。
5 つの失敗と、その場でできる対処
| 失敗 | 見る人にどう映るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 暗い | 閉まっている店に見える | 昼の時間帯に、窓を開けて撮り直す |
| 背景が散らかっている | 主役より散らかりに目が行く | 写る範囲だけ片づける、または寄って撮る |
| 逆光で顔が暗い | 表情が伝わらず、硬い印象になる | 立つ位置を 90 度ずらす、明るい日陰に入る |
| 写真が小さい | 引き伸ばすとぼやけて安っぽい | 圧縮されない方法で、元のサイズを渡す |
| 人が写り込む | 掲載の了承が要り、使えないことがある | 人のいない時間に撮る、後ろ姿にする |
加工しすぎも失敗のうち
明るさを整えるのは良いことですが、色を強く変える加工は逆効果になります。
- 料理の色を鮮やかにしすぎると、来店したお客様が「違う」と感じます
- 内装の色を変えると、実物との差が「がっかり」につながります
- 直すのは、明るさと、わずかな傾きまでにとどめると失敗しにくいです
撮った写真が全部同じになる
つい同じ角度・同じ時間帯ばかりで撮ってしまい、並べたときに単調なページになることがあります。
- 「引き・寄り・人・成果物」の 4 種類を意識して揃える
- 同じ場所でも、朝と夕方では雰囲気が変わります
- 季節が分かる写真が混ざると、動いている会社に見えます
写真が 1 枚も無いページ
文章だけのページは「工事中」に見えます。特にサービス紹介と事例のページは、写真の有無で読まれ方が変わります。
写真が足りないまま公開したページは、問い合わせが伸びにくい場所でもあります。ページ側の直し方は問い合わせが増えるホームページの作り方にまとめています。
業種別 ─ 撮っておくと効く写真
業種ごとに「これが無いと決まらない」写真があります。自分の業種の行だけ見れば十分です。
飲食店
料理の寄りと、席に座ったときの目線の店内写真が要ります。外観は、昼と夜の両方があると使い分けられます。
- 料理は真上か斜め 45 度から、湯気や照りが残っている出来たてのうちに
- 店内は入口から入った人の目線で。カウンター席とテーブル席の両方
- 店主・スタッフの写真が 1 枚あると、初めての人が入りやすくなります
- 何を載せるかは飲食店のホームページと飲食店向けのページで説明しています
美容室・サロン
仕上がりのスタイル写真が主役です。店内は、椅子まわりと入口の 2 か所があれば形になります。
- 仕上がりは同じ角度・同じ明るさで撮りためると、並べたときに揃います
- お客様の顔を出せない場合は、後ろ姿や手元でも十分に伝わります
- サロンの写真の考え方は美容室・サロンのホームページの作り方に詳しく書いています
建設・工務店
施工前と施工後を、同じ角度・同じ高さで撮るのが要点です。並べたときに違いが一目で分かります。
- 着工前に「あとで同じ位置から撮る」と決めて、立ち位置を覚えておく
- 現場で働いている姿は、安全装備が整っている状態で撮る
- 完成物件は外観と内観を組にする。載せ方は建設会社・工務店のホームページの作り方が参考になります
そのほかの業種
| 業種 | 撮っておくと効く写真 |
|---|---|
| 運送・物流 | 車両、荷積みの様子、ドライバーの姿 |
| 清掃・ビルメンテナンス | 作業前後の同じ場所、使う機材、作業中の姿 |
| 士業 | 事務所の入口、応接の机、代表の顔写真 |
| クリニック・治療院 | 待合、施術スペース、受付まわり、院長 |
| 小売店 | 商品の単体、棚の並び、包装している手元 |
| 警備 | 制服、隊員の立ち姿、朝礼や点呼の様子 |

お客様に写真を送ってもらって概算を出す商売(金属回収・買取業など)では、「どう撮って送ってほしいか」を自社のサイトに書いておくと、やり取りの往復が減ります。
まとめ ─ 撮る前に確かめる 6 つ
スマホを構える前に、次の 6 つを確かめてください。ここを押さえれば、撮り直しはほとんど発生しません。
- 昼の明るい時間帯か。カーテンを開けたか
- 画面に入る範囲を片づけたか
- 窓や外を背にして人を撮っていないか
- 床・棚・建物の線が、画面の枠と平行か
- 1 か所につき 5〜10 枚、縦と横の両方を撮ったか
- 圧縮されない方法で、元のサイズのまま渡す準備ができているか
最後に一つだけ。写真で本当に効くのは、きれいさではなく「本当にある会社だ」と伝わることです。
整いすぎた素材写真ばかりのサイトより、明るく撮っただけの実物の写真のほうが、問い合わせにつながることがよくあります。撮ってはみたけれど使えるか分からない、という段階でも構いません。お問い合わせから写真を見せていただければ、どれが使えて、どれを撮り直すかまで一緒に見ます。
よくある質問
Q.ホームページの写真はスマホだけで大丈夫ですか?
Q.プロのカメラマンに頼むといくらくらい掛かりますか?
Q.撮った写真はどうやって制作会社に渡せばいいですか?
Q.写真が足りないまま公開してもいいですか?
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