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ホームページの多言語対応は必要? 札幌の需要と費用感を解説

多言語対応は「サイト全部を訳すこと」ではありません。効くのは場所・営業時間・料金など行く前に知りたいこと。自動翻訳の任せどころと、1言語増やしたときに増える手間まで整理します。

カウンター越しに、店主が旅行者へ画面を見せながら案内している場面

「外国のお客様が増えてきた。ホームページも英語にしたほうがいいのだろうか」。札幌で店や宿を営んでいる方から、よく聞く相談です。

多言語対応と聞くと、サイトを丸ごと訳し直す大工事を想像しがちです。実際には、そこまで必要な事業者はあまり多くありません。

この記事では、制作側の人間として正直に書きます。どこを訳すと効くのか、自動翻訳をどこまで信じてよいのか、費用は何で決まるのか。この3つを順番に整理します。

多言語対応は「サイト全部を訳すこと」ではありません

多言語対応の実体は「全ページの翻訳版を作ること」ではなく、外国語で読みたい数ページを用意することです。

ここを取り違えたまま見積もりを取ると、必要以上に大きな金額が出てきます。まず言葉の意味から揃えます。

よくある勘違い ─ 英語版サイトを丸ごと作る

相談の入り口で多いのが「日本語サイトと同じものを、英語でもう1つ作る」という発想です。

この形にすると、ページ数はそのまま2倍になります。作るときの費用も2倍に近づきますが、それ以上に困るのは公開したあとです。

  • お知らせを1本出すたびに、日本語と英語の2本書くことになる
  • 料金を変えたとき、片方を直し忘れると情報が食い違う
  • 食い違いに気づくのは、たいていお客様に指摘されたときです

実際に読まれるのは、だいたい同じ数ページ

外国から来る方がサイトで見るのは、多くの場合「今日そこへ行けるかどうか」を決めるための情報です。

つまり、会社の歴史や理念のページより、地図・営業時間・料金のほうが先に開かれます。ここは日本のお客様とほとんど変わりません。

日本語のサイトでも、実際によく見られているページは限られています。自分のサイトでどこが読まれているかは、ホームページのアクセス数の見方の方法で先に確かめておくと、訳す範囲を決めるのが楽になります。

「必要かどうか」より「どの場面で読まれるか」

多言語対応が要るかどうかは、業種ではなく場面で決まります。

  • 店の前でスマホを開いて「今やっているか」を確かめる場面がある
  • 予約の前に「一人でも入れるか」「子ども連れで大丈夫か」を知りたい場面がある
  • 買ったものを持ち帰れるか、送れるかを確かめたい場面がある

こうした場面が思い当たるなら、その部分だけ外国語にする価値があります。思い当たらないなら、急いで訳す必要はありません。

雪の積もった通りで、店の前に立った旅行者がスマートフォンの画面と店の入り口を交互に見ている場面
外国語の情報が要るのは、たいてい「その場でスマホを開いた瞬間」です

札幌で外国語の情報が求められる場面

札幌で外国語の問い合わせが増えやすいのは、冬の観光・スキー・食にまつわる場面です。

ここでは、制作の相談の中で実際によく出てくる場面を挙げます。数の話ではなく、場面の話として読んでください。

冬に集中しやすいという特徴

札幌とその周辺は、雪とスキーを目当てに来る方が冬に集まります。この時期だけ外国語の問い合わせが増える、という事業者は珍しくありません。

季節で山が来るということは、準備の時期と、外国語ページが働く時期がずれるということでもあります。冬に間に合わせたいなら、その前の季節に手を付けておくと慌てません。

冬の商売については、除排雪業のホームページの作り方でも季節の山の話に触れています。考え方は近いので、参考になる部分があります。

食べる場所は「その場でスマホ」で決まりやすい

飲食は、来る前に念入りに調べる方と、街を歩きながらその場で決める方に分かれます。後者の場合、見られるのは地図と写真と営業時間です。

そのため、飲食店で最初に効くのは英語版のトップページではありません。地図・営業時間・メニューの写真です。

飲食店のサイトで何を載せるべきかは、飲食店のホームページは必要?にまとめています。多言語より先に整える部分が見えてきます。

業種によって要る場面が違う

同じ札幌でも、外国語が要る場面は業種でかなり違います。

業種外国語が要りやすい場面先に訳すとよい情報
飲食店店の前・移動中にスマホで店を探す場所、営業時間、写真つきメニュー、予約の要否
小売店・土産物店買えるか・送れるかを確かめる取扱商品、免税の対応、支払い方法、発送の可否
宿泊・体験予約の前に条件を確かめる料金、人数、送迎、キャンセルの条件
建設・製造・士業取引先や在留の方からの問い合わせ事業内容の要約、連絡先、対応言語の有無

上の表で自分の業種の行が薄いと感じたなら、多言語より先に手を入れる場所があります。判断の材料は小さな会社にホームページは必要?にも書いています。

訳す価値が高いのは「行く前に知りたいこと」

訳す優先度がいちばん高いのは、来店や予約の前に確かめたい事実の情報です。理念や物語はそのあとで構いません。

ここが多言語対応のいちばん実利のある部分なので、細かく分けます。

まず訳したい6つの情報

次の6つは、外国語で読めるだけで問い合わせの手間が減ります。

  1. 場所(住所と、最寄り駅からの行き方)
  2. 営業時間と定休日(季節で変わるなら、その旨も)
  3. 料金(税込みかどうか、追加料金があるか)
  4. 予約の要否と、予約の仕方
  5. 支払い方法(現金だけか、カードやスマホ決済が使えるか)
  6. 持ち帰り・発送の可否

どれも短い文で足ります。長い紹介文より、この6つが先です。

後回しでよいところ

反対に、次のようなページは訳しても読まれにくい部分です。

  • 代表挨拶・企業理念
  • 会社の沿革
  • 日本語の常連向けに書いたお知らせ・ブログ

訳すこと自体が悪いのではありません。限られた予算を先にどこへ使うかの話です。

優先度を表にすると

優先度内容理由
高場所・営業時間・料金・予約・支払い・持ち帰り行くかどうかを決める情報
中主なサービスや商品の説明、写真つきの一覧何があるかが伝わればよい
低代表挨拶、沿革、日本語向けのお知らせ読まれる場面が少ない

この並びは、日本語サイトで問い合わせを増やすときの優先度ともよく似ています。詳しくは問い合わせが増えるホームページの作り方に書きました。

サイトの外にも入り口がある

外国から来る方が最初に触れるのは、サイトではなく地図であることが多いです。

Googleビジネスプロフィール(地図に店の情報を出す無料の仕組み)には、営業時間や写真、店の種類を登録できます。ここが整っていないと、サイトを訳しても届く手前で止まります。

登録のやり方はGoogleビジネスプロフィール登録のやり方にまとめています。多言語対応を考える前に、まずここを埋めておくと無駄がありません。

自動翻訳に任せてよい所と、任せると危ない所

自動翻訳は「だいたいの意味が伝わればよい部分」には十分で、「間違えると困る部分」には向きません。この線引きが実務のすべてです。

任せてよいところ

次のような部分は、自動翻訳でおおむね用が足ります。

  • 事業内容や店の雰囲気の紹介文
  • お知らせ・ブログの本文
  • よくある質問の一般的な回答
  • 沿革や会社概要の説明

多少ぎこちない訳になっても、読む側は意味を汲んでくれます。そもそも読み手も、翻訳された文章に慣れています。

任せると危ないところ

一方で、訳を間違えると実害が出る部分があります。

  • メニューの食材名(豚・牛・魚・酒の有無は、宗教や体質に直結します)
  • アレルギーの表示(そば・落花生・乳・卵などの言い換えが起きると危険です)
  • 料金の条件(「1名あたり」「税込」「2名から」などの条件が落ちやすい)
  • 予約やキャンセルの条件(「前日まで」が「当日まで」と読める訳になることがある)

この4つは、機械が悪いというより、日本語の側が条件を省いていることが原因になりがちです。「お一人様2,000円(税込)」を「2,000円」とだけ書いていれば、どの言語に訳しても条件は消えます。

カウンターでメニューを開いた客が、店員に食材について身振りで質問している場面
食材とアレルギーは、訳の良し悪しではなく安全の問題として扱います

手で訳す部分は、思ったより少なくて済む

危ない部分だけ人が訳し、残りを自動翻訳に任せる。この組み合わせが、費用と安全のつり合いが取りやすい形です。

実際に手で訳す量は、A4で1〜2枚分に収まることが多いです。料金表とメニュー、予約の条件。この3つを丁寧に訳せば、事故の芽の大半は摘めます。

写真と記号で伝わるところは、言葉を足さなくていい

多言語対応でいちばん費用対効果が高いのは、実は翻訳ではなく写真と記号を整えることです。

言葉を増やす前に、言葉が要らない形にできないかを考えます。

写真が言葉より強い場面

料理・店内・商品の写真は、どの言語の人にも同じ情報を伝えます。文章を4言語に訳すより、写真を1枚足すほうが早いことがよくあります。

  • メニューは、料理名の横に写真を1枚
  • 店内の写真で「一人でも入りやすいか」が伝わる
  • 入り口の写真があると、雪の日でも迷わずたどり着ける

写真はスマホで撮ったもので構いません。撮り方の工夫はホームページ発注前の準備リストでも触れています。

数字と記号で済むもの

次のような情報は、言葉にしなくても伝わります。

伝えたいこと言葉を使わない伝え方
営業時間11:00 - 21:00 のように数字で書く
定休日カレンダーの形で色を分ける
支払い方法使えるカードやコード決済の記号を並べる
禁煙・喫煙記号で示す
持ち帰りの可否持ち帰り容器の写真を1枚載せる

記号や数字は、更新のときに訳し直す必要がありません。あとで手間が増えないのが、いちばんの利点です。

スマホでの見え方を先に直す

外国から来る方は、ほぼスマホでサイトを開きます。文字が小さい、横にはみ出す、ボタンが押しにくい。この状態だと、訳しても読まれません。

スマホでの見え方は、翻訳より先に確かめておく部分です。確認の仕方はホームページのスマホ対応とは?に書いています。

写真つきのメニュー表と、支払い方法や禁煙を示す記号が並んだ小さな案内板が、カウンターに置かれている様子
写真と記号は訳し直しが要らないので、更新の手間が増えません

やり方は大きく2つ ─ ページを分ける方式と自動翻訳の方式

多言語対応のやり方は、外国語のページを別に持つ方式と、日本語ページを機械が訳して表示する方式の2つに分かれます。

どちらが正しいということはありません。更新の手間と、精度の必要性で選びます。

2つの方式の違い

比べる点ページを分ける方式自動翻訳の方式
作り方言語ごとにページを用意する日本語ページを機械が訳して表示する
訳の正確さ人が確かめた文が出せる内容によってぶれる
検索での扱い外国語でも検索に出やすい出にくいことがある
更新の手間言語の数だけ増える日本語を直せば追随する
向いているケース料金・条件を正確に伝えたいまず読めるようにしたい

ページを分ける方式

外国語のページを実際に作る方式です。文章は人が確かめてから載せるので、料金や条件を正確に伝えられます。

外国語で検索されたときに見つかりやすいのも、この方式の利点です。半面、ページが増えるぶん、作る費用も更新の手間も増えます。

自動翻訳の方式

日本語のページに翻訳の仕組みを載せ、訪問者が言語を選ぶと機械が訳す方式です。ページは増えないので、更新は日本語だけで済みます。

ただし訳の精度は内容によって揺れます。前の章で挙げた「危ない所」をこの方式だけに任せるのは避けてください。

現実的なのは、2つを混ぜる形

多くの事業者にとって現実的なのは、要点だけページを分けて手で訳し、残りを自動翻訳に任せる折衷の形です。

  • 料金・メニュー・予約の条件だけ、外国語のページを1〜2枚用意する
  • その他のページは、自動翻訳の仕組みでカバーする
  • お知らせは日本語のまま出し、機械に任せる

この形なら、最初の費用も更新の手間も抑えられます。あとから「やはり全部作りたい」となったときも、手で訳した部分がそのまま土台になります。

1枚の紙が2つの束に分かれ、片方は人の手で丁寧に清書され、もう片方は機械で写し取られている様子
要点は人が訳し、残りは機械に任せる。混ぜる形がいちばん続きます

費用の考え方 ─ 1言語増えると原稿も更新も増える

多言語対応の費用は、最初の翻訳代よりも公開したあとに増え続ける手間で決まります。ここを見落とすと、途中で更新が止まります。

最初に掛かるもの

作る段階で掛かるのは、おおむね次の3つです。

費目中身掛かり方の目安
翻訳訳す文章の量で決まるページ数と文字量に比例する
ページの追加外国語ページを作る作業枚数に比例する
仕組みの設定言語を切り替えるボタンなどの用意最初に一度だけ

ページを分ける方式なら、外国語ページを1〜2枚足すところから始められます。全ページ分を一度に用意する必要はありません。

制作費全体の考え方はホームページ制作の費用相場に、既にあるサイトへ後から足す場合はホームページのリニューアル費用相場にまとめています。LIT STUDIO の料金は料金ページに載せています。

あとから増え続けるもの

見落とされやすいのは、こちらです。

  • 料金を変えるたび、言語の数だけ直す
  • 営業時間を変えるたび、言語の数だけ直す
  • 直し忘れると、言語によって情報が食い違う

1言語増やすことは、更新の仕事を1つ増やすことでもあります。ここを引き受けられるかどうかが、方式を選ぶいちばんの判断材料です。

維持の費用についてはホームページの維持費・管理費は月いくら?で細かく説明しています。

予算を抑える順番

費用を抑えたいときは、次の順で進めると無駄が出にくいです。

  1. Googleビジネスプロフィールの情報を埋める(無料)
  2. 写真と記号を足して、言葉が要らない形にする
  3. 料金・メニュー・予約の条件だけ、手で訳す
  4. 残りのページは自動翻訳に任せる
  5. 反応を見てから、訳すページを足す

いきなり5番から始めないこと。これだけで、掛ける金額はかなり変わります。

ネットショップを持っている場合

商品を外国から買ってもらう場合は、サイトの翻訳だけでは足りません。決済・送料・配送の可否といった、購入の手前にある条件が要ります。

実店舗とネットショップの組み合わせ方は小売店のホームページ・ネットショップの始め方に、小売業向けのまとめは小売店・ネットショップの支援ページに書いています。

飲食店の場合は、店頭での案内とサイトの役割分担を先に決めると迷いません。飲食店向けの支援ページもあわせてご覧ください。

まとめ ─ 多言語対応を始める前のチェックリスト

多言語対応を考え始めたら、次の6点を確かめてください。順に見ていくだけで、掛ける費用がかなり絞れます。

  • 外国語の情報が要る「場面」が、自分の商売に実際にあるか
  • 訳すのは全ページではなく、場所・営業時間・料金・予約・支払い・持ち帰りの6つから始めているか
  • 食材・アレルギー・料金の条件を、自動翻訳だけに任せていないか
  • 訳す前に、日本語のほうの条件(税込・1名あたり・◯名から)を書き切ったか
  • 写真と記号で済ませられる部分を、先に整えたか
  • 1言語増えると更新の仕事が1つ増えることを、引き受けられるか

最後に一つだけ。多言語対応は「やるかやらないか」ではなく、どこまでやるかの話です。

英語のページを1枚作るだけでも、伝わる情報は確実に増えます。逆に、全ページを訳して更新が止まれば、古い情報が別の言語で残り続けます。続けられる範囲から始めるのがいちばん確実です。

どこから手を付けるか迷ったら、今のサイトを見ながら一緒に整理します。お問い合わせからお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q.ホームページの多言語対応は、全ページを訳す必要がありますか?
必要ありません。外国から来る方がサイトで見るのは、多くの場合「今日そこへ行けるか」を決めるための情報です。場所・営業時間・料金・予約の要否・支払い方法・持ち帰りの可否の6つから始めれば、まず用が足ります。代表挨拶や沿革は後回しで構いません。
Q.Googleなどの自動翻訳に任せてしまってもいいですか?
紹介文やお知らせのように「だいたいの意味が伝わればよい部分」は任せて構いません。避けたいのは、メニューの食材名、アレルギーの表示、料金の条件(税込か、1名あたりか)、予約やキャンセルの条件です。この4つは訳が揺れると実害が出るので、人が確かめた文を用意してください。
Q.外国語のページを別に作る方式と、自動翻訳の方式はどちらがいいですか?
更新の手間と、必要な正確さで選びます。ページを分ける方式は訳を確かめられて外国語の検索にも出やすい反面、言語の数だけ更新が増えます。自動翻訳の方式は日本語を直せば追随しますが、精度が揺れます。料金やメニューなど要点だけページを分けて手で訳し、残りを自動翻訳に任せる形が現実的です。
Q.多言語対応の費用はどう考えればいいですか?
最初の翻訳代よりも、公開後に増え続ける手間で考えてください。1言語増やすことは、料金や営業時間を変えるたびの更新の仕事を1つ増やすことです。まずGoogleビジネスプロフィールを埋め、写真と記号で伝わる形に整え、それから料金・メニュー・予約の条件だけを訳す。この順番で進めると無駄が出にくくなります。

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